令和3年(2021年) 6月定例会

令和3年6月9日(水曜日)
日本語指導が必要な児童・生徒の教育について


田中文代の発言は、背景を青色で表示しています。

◆田中文代

チーム創生、田中文代です。通告に従いまして、日本語指導が必要な児童生徒の教育について、初回一括方式で質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 外国人労働者の受入れについて様々な議論を生んだ改正入管法、正式名称は出入国管理及び難民認定法の改正施行から早くも3年がたちました。新型コロナウイルスの感染が始まる以前は盛んに議論されてきたこの問題も、予想以上に長引くコロナ禍による移動の自粛等により、今はそれどころではないといった雰囲気がありますが、そんな中、先月5月15日、16日の両日にわたり、日本経済新聞にショッキングな記事が載っていました。「外国人「共生」の実相」と題するシリーズで、タイトルは「言葉の壁」、記事の要旨は、外国籍の子供たちへの日本語教育の不備が鮮明になっている現状が調査で明らかになったというもので、特に15日のほうの記事の見出しは、「日本語教育、地域で格差。支援学校在籍率最大19%。財政力、授業の質左右」という非常にショッキングなもので、日本語に不自由を感じている子供たちの教育はもちろんですが、本来特別支援学校で適切な教育を受けるべき障害のある児童生徒にその影響が及んでいることが事実であるとすれば、これは看過できないと思い、今回、本市の実態について質問させていただくことにしました。
 令和2年3月に、文部科学省が発表した外国人の子供の就学状況等調査結果によりますと、学齢相当の外国人の子供の住民基本台帳上の人数は、小学生相当が8万7,033人、中学生相当が3万6,797人で、合計12万3,830人となっています。これを都道府県別で見てみますと、東京都を中心とする関東圏にその大部分が固まっていますが、愛知県、静岡県、群馬県、岐阜県といった製造業の盛んな県にも多くの外国籍の子供たちが生活していることが分かります。特に愛知県は、1万5,331人という、東京都の2万1,085人に次ぐ数となっています。山口県は当時の統計で372人、福島県より多く、奈良県よりは少ないといった数字ですが、気になるのは、その子供たちの教育の質がきちんと保たれているかということです。
 今回、この日本語が不十分な子供たちの教育の実態について質問をしようと思い立ったのには、実はもう1つ理由があります。私の家族は、夫の仕事の関係で、2003年に宇部に帰ってくるまで8年半ドイツで暮らしました。3人の子供のうち上の2人は、幼稚園、小学校とドイツで教育を受けたわけですが、そのときの教育が、下の子は知的障害がありますから療育も含めてですが、非常に手厚かった印象があります。3歳のときにドイツに渡った健常児の長女は、就学前の検査で、小学校教育を受けるにはドイツ語の語彙が不十分と判断されると、近くの小学校で入学前にみっちりとドイツ語の指導を受ける予定が組まれました。書けなくてもいいのです。物の名前を覚える、まずそこからです。そして、その指導を受けるに当たってのテキストや受講料などは、当たり前のように無料でした。私も行ってみて分かったのですが、ドイツは移民国家で、非常に多くの、もともとは外国籍の子供たちが一緒に学んでいました。
 このときの印象が大きいので、さきのような新聞報道を見ると、非常に悲しく、悔しい思いがいたします。同じように戦後に復興してきた国なのに、なぜもっと自国で学び育つ子供たちの教育を大切にしないのか不思議でなりません。
 さて、そこで今回の質問ですが、まず、本市の子供たちの実態について詳しく教えていただきたいと思います。
 日本語指導が必要な児童生徒の教育について。
 質問1、児童生徒の実態。
 ア、在籍数、国籍、期間。
 イ、本市で学んでいる理由。
 ウ、受入れの手順。
 エ、就学状況。
 続いて、受け入れる側の学校の支援体制についてお伺いしたいと思いますが、令和3年度の予算参考資料によりますと、小学校教育指導経費の一部として、日本語教育が必要な外国人児童への支援として32万7,000円が計上されており、前年の令和2年度では、同じ項目で14万4,000円が計上されていました。1年でほぼ倍増の予算になっているわけですが、その前年、令和元年、平成31年度予算にはこの項目の予算が見当たりません。この2年で、必要な経費として認識され予算計上がされてきたものと思いますが、この予算でどういった支援をされているのか、支援に必要な人員は確保できているのか、学校の支援体制について、また、現状として把握されている課題とそれについて今後どう取り組んでいかれるのか、お伺いしたいと思います。
 質問2、学校での支援体制。
 ア、予算の使途を含む支援の内容。
 イ、支援の課題と今後の取組。
 最後に、このような子供たちの教育について、本市はどのようなビジョンを持っておられるのかお聞かせいただければと思います。
 在留期間にもよりますが、成人してふるさととして思い起こすのは、やはり、自分自身が学童期を送った土地ではないかと思います。直近には収束の見通しのつかない新型コロナの感染状況ではありますが、この1年あるいは2年のうちにいずれ必ず収束すると思います。そのとき、コロナで加速した出生率低下による少子化社会、労働者人口の減少の中で、外国人労働者の問題に切実に直面する日がきっと来ると思います。そのときの準備として、本市で暮らし成長する日本語が不自由な子供たちに、どのような教育を目指し、また、どのような未来を描いておられるのか、考えをお聞かせいただければと思います。
 質問3、教育の在り方と将来へのビジョン。
 以上で、最初の質問を終わります。御答弁のほどよろしくお願いいたします。

◎教育長(野口政吾君)

田中議員の御質問にお答えいたします。
 御質問、日本語指導が必要な児童生徒の教育について。
 第1点、児童生徒の実態。
 ア、在籍数、国籍、期間、イ、本市で学んでいる理由、ウ、受入れの手順、エ、就学状況についてですが、これらは関連がありますので、一括して答弁をさせていただきます。
 近年、グローバル化の進展等により、日本語指導を必要とする児童生徒が全国的に増えています。
 本市の小中学校には、日本語指導の必要な児童生徒が、小学生9名、中学生3名の計12名おり、そのルーツは、マレーシア3名、インドネシア、アメリカ、中国がそれぞれ2名、ベトナム、バングラデシュ、カナダがそれぞれ1名となっています。
 その多くは、保護者の大学留学や就業の関係で来日した児童生徒です。
 現在、日本語指導を受けている児童生徒の滞在期間は、数か月から約3年まで様々ですが、中には永住されるケースもあります。
 転入に当たっては、日本語の理解力などの状況を把握した上で、支援が必要な場合には、教育委員会が、日本語指導を行う教員が配置されている学校を紹介します。
 また、それ以外の学校に転入する場合には、語学ボランティアを派遣するなどの支援を行っています。
 転入した児童生徒は、日本語指導を行う教員や語学ボランティアの支援を受けながら、日本人の子供たちと一緒に学んでいます。
 第2点、学校での支援体制。
 ア、予算の使途を含む支援の内容、イ、支援の課題と今後の取組についてですが、これらは関連がありますので、一括して答弁をさせていただきます。
 令和3年度は、上宇部小学校に1名、常盤中学校と上宇部中学校に兼務で1名、日本語指導を行う教員が県費で配置されており、1人の児童生徒につき、週2時間から10時間の日本語指導や学習支援を行っています。
 また、日本語指導を行う教員が配置されていない琴芝小学校では、宇部市の人材バンクに登録されている語学ボランティア2名が、1人の児童に週12時間の日本語指導や学習支援を行っています。
 教育委員会では、語学ボランティアを確保するため、令和2年度からは旅費を、令和3年度からは旅費に加えて謝礼を支給しています。
 また、学校では、授業や休憩時間に児童生徒の状況に応じた支援を行うことに加えて、家庭への配付物の簡単な翻訳等を行い、安心して学校へ通うことができるよう取り組んでいるところです。
 しかしながら、日本語指導が必要な児童生徒のルーツは様々で、母国語や文化、家庭環境など背景が異なります。
 そのため、児童生徒一人一人に応じた適切な日本語指導や学習支援を行うことができる人材を確保していくとともに、日本語で意思の疎通が十分に行えなくても安心して学習できる環境づくりを行うことが課題となっています。
 今後も、教育委員会では、日本語指導担当者だけでなく、全校体制で児童生徒の状況を的確につかみ、担任を中心としてより多くの職員が支えることにより、より一層安心して過ごすことのできる環境づくりに取り組んでいきます。
 第3点、教育の在り方と将来へのビジョンについてですが、今後、様々な国をルーツに持つ日本語指導が必要な児童生徒が増えることが予想されます。
 本市においては、先導的共生社会ホストタウンとして、誰もが生き生きと暮らすことができる社会の実現を目指しており、学校においても児童生徒が安心して学べるような環境づくりや支援を行うことが大切と考えています。
 そのため、教育委員会では、児童生徒一人一人の状況に応じて、日本語を楽しく学び、一日も早く日本に適応できるような支援を学校とともに行っていきます。
 また、本市の教育の特色である学び合いや支え合いの中で、日本語指導の必要な児童生徒の能力を伸ばしていけるような取組を行っていきます。
 さらに、日本語指導の必要な児童生徒のルーツや、母国の言葉・文化を尊重しながら、その子の個性や考え方を大切にした教育を進めていきたいと考えています。
 これらのことを通して、児童生徒が本市で充実した時間を過ごし、将来にわたって自分のことをかけがえのない大切な存在であることを実感し、生きていくことができることを願っています。
 以上でございます。

◆田中文代

ありがとうございました。
 それでは、再質問、要望等させていただきますが、まず最初に確認でございますが、現在本市には、小学校9名、中学校3名の日本語指導が必要な児童生徒がおられるということですが、この方たちや、あるいは以前在籍されておられた方たちの中に、不登校になったり支援学校への転校を勧められたというような方はおられませんでしょうか。

◎教育長(野口政吾君)

令和3年度の12名の日本語指導が必要な児童生徒のうち、不登校傾向のある生徒が、残念ですけれども1名ほどいます。また、支援学校に転校を勧めた例はありません。以前については、詳細まで把握しておりませんが、同じような状況であると考えています。
 以上でございます。

◆田中文代

残念ながら、1名不登校の方がおられるということで、多分現場の先生方、様々に御尽力されていらっしゃるとは思うのですけれども、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、また具体的に質問させていただきますが、それぞれの小学校、中学校の学校を教えていただけますか。

◎教育長(野口政吾君)

小学生9名のうち、上宇部小学校が7名、琴芝小学校が1名、恩田小学校が1名、上宇部中学校が2名、常盤中学校が1名です。
 以上でございます。

◆田中文代

ありがとうございます。
 上宇部に割と固まっていらっしゃる。これは、山大工学部あるいは医学部ですかね、学校の関係で来日していらっしゃる方の御家族が多いということかと思います。
 これらの方たちは、通学は自力で通学されておられますか。

教育長(野口政吾君)

基本はほかの児童生徒と同じように自力で通学しているということです。

◆田中文代

ありがとうございます。
 それぞれの学校でコミュニティ・スクールとしても活動しておられると思いますので、ぜひ地域で、ほかのお子さんたちと同じように地域で育てていっていただければというふうに思います。
 それでは、御答弁では日本語の理解力などの状況を把握した上で支援を進めていくということをお答えされましたけれども、どうやってこの理解力を把握されておられるのでしょうか。定められた、判断の試験のフォーマットのようなものがあるのでしょうか。

◎教育長(野口政吾君)

宇部市共通のものというのではなくて、文部科学省が作成している日本語能力を把握するための試験資料、これは、例えば、導入でどれぐらい会話ができるかを確認した上で、話す、読む、書く、聞くなどの語彙力をチェックして、その状況に応じて、この子はこういうレベルであるからこういう資料が必要である、そういうものを文部科学省で作成されておりますので、それを参考にしているところでございます。

◆田中文代

分かりました。明確な基準があるということで理解いたしました。
 先ほど、ちょっと自分のことを申し上げましたけれども、就学前からの準備というものができれば一番いいとは思うのですけれども、なかなかそれができない状況もあるかと思いますので、まずは、最初にきちんとそのお子さん各自の理解力を把握していただくことが一番重要ではないかと思います。公平に、正確に把握していただくということが重要ではないかと思います。
 続きまして、学校での日常についてお伺いしたいと思いますが、イスラム圏から来日していらっしゃる方、多いと思うのですけれども、イスラム教の御家庭では豚肉を食べないとか、ハラルフードの問題もあると思いますけれども、給食とかはどのように対応されてますか。

◎教育長(野口政吾君)

保護者との相談の上、宗教上食べられない食材がある、そういうときには、弁当を持参するなどの対応を行っていただいているところです。
 以上でございます。

◆田中文代 

ありがとうございます。
 大学なんかでは、やはり、もう学生さんの人数も増えてきて、ハラルフードへの対応をされているところもあるようですけれども、まだ小学校、中学校では数が少ないということで弁当持参ということですね。今後の課題かと思いますが、御検討を進めていただければと思います。
 それから、服装についてです。同じくイスラム圏の方でございますけれども、イスラムの女性は肌を露出することを禁じられていまして、厳格には、ヒジャブといって頭を覆うものですね、その着用を重んじておられる御家庭も多いと思います。このような服装についての対応、例えば体育のときとか、どのようにされておられますか。

◎教育長(野口政吾君)

宗教上の理由でそういう着用しなければならないものがある場合については、基本的にはその国の文化を尊重するということで、個別に着用を認める等の対応を行っているところです。
 以上でございます。

◆田中文代

ありがとうございます。
 着用を認めていただいているということですね。
 先日、目にしました教育科学研究社が発行する月刊誌「教育」というのがありますけれども、この6月号でも、外国につながる子ども・若者と教育という特集が組まれておりまして、その中で、日本で暮らすイスラム教の家庭で育つ子供たちについて、お寺や神社への遠足が拒否されるなど、宗教上のいろいろな問題が取り上げられていました。
 そもそも、日本の学校では宗教を学ぶ時間がありません。倫理社会なので、その成り立ちを学ぶことはあっても、宗教や信仰そのものについての理解というものは個人次第で、宗教上の戒律や罪というものについての観念も日本人にはなかなかないものだと思います。これ、教育現場では非常に危うい状態と私は感じております。知らない土地に行ったら「郷に入っては郷に従え」という言葉はよく使いますけれども、宗教に関してはこの言葉は通用しませんので、このことだけは現場の教員の方にしっかり認識しておいていただきたいと思います。
 続きまして、学校での支援体制に関する御答弁の中で、小中それぞれ1名ずつ、県費で日本語指導を行う教員が配置されているということでしたが、この教員の方は何か資格のようなものをお持ちなのでしょうか。

◎教育長(野口政吾君)

教員ですので、当然、教員免許は持っている、それが必要だということです。それ以外には特にはありませんけれども、宇部市に配置されている小中1名ずつの教員については、2名とも英語の免許を持っているということでございます。
 以上でございます。

◆田中文代 

英語の免許を持っておられるということで、英語圏からでないお子さんも多いとは思いますけれども、とりあえずは世界の共通語としての英語が理解できるということですね。保護者の方たちのコミュニケーションに非常に重要だと思いますので、その点はありがたいと思います。
 それでは次に、具体的に学校での指導や支援についてお伺いしたいと思いますけれども、御答弁では週2時間から10時間の日本語指導や学習支援を行っておられるということでしたが、日本語指導というのは具体的にどのようなことをされておられるのでしょうか。

◎教育長(野口政吾君)

一斉に授業を受けるという時間もありますけれども、日本語指導は基本的には別室で、一対一で行うことが多いと。例えば、その児童生徒の習得状況によってですけれども、簡単な課題を与えるとか、また、日常会話、それから、授業でよく使う教科学習の言葉、表現、また、状況によっては平仮名、片仮名、漢字などの練習など、学校生活で必要な日本語をその子、その子の状況に応じて個別に指導しているというところです。

◆田中文代 

続いて、今度は学習の支援のほうです。これについて具体的にどのような支援なのか教えてください。

◎教育長(野口政吾君)

学習の支援については、基本的には、学級において、ほかの子供たちと一緒に行う授業の中で、例えば、そばについて解説をしたり、それからサポートをしたり、こういうふうにやったらいいよとか、そういう説明をしたりというのが多いです。また、授業後に、例えば放課後とか、また、個別の時間に、教科について、日本語ではなかなか理解できにくいということで、個別に英語等を使って学習の支援を行うという場合もあります。
 以上でございます。

◆田中文代 

ありがとうございます。
 そのような際に、教材であったり、ドリルであったり、そういったものを準備されると思うのですが、そういったものの費用は御家庭で負担されるのでしょうか。

◎教育長(野口政吾君)

これも基本は家庭負担ではなくて学校のほうで準備するようにしておりますけれども、これも状況に応じてはお願いする場合もあるというふうには聞いています。
 以上でございます。

◆田中文代 

分かりました。
 できれば全て教育委員会のほうで御準備いただければと思いますが、またその状況については教えていただければと思います。
 最初の質問で、小学校教育指導費の予算計上の金額について触れさせていただきましたけれども、これらの金額、具体的にどのように使われたのか教えていただけますでしょうか。

◎教育長(野口政吾君)

具体的な執行状況ということでいいですか。
 令和2年度については、14万4,000円程度の予算を計上し、旅費で3万円程度執行させていただいたと。で、令和3年度は、本答弁でお話しさせていただきましたように、旅費プラス謝金も加えて、32万円程度計上させていただいていますので、語学ボランティアの方に対して、謝金も含めてお支払いさせていただくと、そういうことになっております。
 以上でございます。

◆田中文代 

現状としてはこれで十分というふうにお考えでしょうか。

◎教育長(野口政吾君)

今の段階ではこの予算で大丈夫とは考えておりますけれども、もし、児童生徒が増えて厳しい状況になるときは、当然その対応はさせていただこうと思っています。

◆田中文代 

分かりました。ありがとうございます。
 それと、あと、語学ボランティア2名が、琴芝小学校でお1人の児童の支援に当たっておられるということですけれども、このお子さんにだけボランティアさんがついている何か理由があるのでしょうか。

◎教育長(野口政吾君)

上宇部小とか、常盤中とか、上宇部中は教員がいますので。琴芝小は、保護者が琴芝小への通学を希望されまして、そこに教員がいませんでしたので、ボランティアさんに入っていただいているというところでございます。
 以上でございます。

◆田中文代 

分かりました。
 先ほど、歩いて通学されていることをおっしゃっていましたので、琴芝地区にお住まいで、そのためにボランティアを派遣されているということですね。ありがとうございます。
 それでは続きまして、同じく学校での支援体制の御答弁の中で、家庭への配付物の簡単な翻訳等を行っているとありましたけれども、これは担任の教員の方が行われているのでしょうか。私も海外での子育ての経験の中で覚えがあるのですけれども、これ、非常に実際のところ時間を取る大変な作業です。教員の方にこのための十分な時間が取れているのかちょっと心配なのですけれども、いかがでしょうか。

◎教育長(野口政吾君)

もう、当然、担任だけではなかなか難しい状況にあるというふうには聞いております。例えば、語学ボランティアの方とか、他の教職員の方、まあ、一部の教員に負担がかからないように全校で協力しているということでございますけれども、それにプラスして、今、なかなか便利な翻訳アプリ等も──何ていうのですかね、ポケットトークかな、そういうものもあるということですので、そういうものも使って、できる限り1人に負荷がかからないように対応しているということでございます。
 以上でございます。

◆田中文代 

ありがとうございます。
 今現状として対応されているということですけれども、今後またこういった児童生徒の方が増えてこられたときのことを考えて、ある程度、こういった連絡事項のフォーマットみたいなものも、各国語で準備しておかれるといいのではないかなと思います。これ、本当、毎日のことで、いろいろな連絡事項のやり取りをするときに、やはり保護者の方もいろいろなものを渡されてもそれが理解できないというのは本当にストレスで、調べる時間があればいいですし、具体的な内容がただ辞書を引いて分かるというものでもありませんので、ぜひこのあたりは学校のほうでも配慮していただけるといいと思いますし、本当に担任の教員の方に負担にならないように、ストレスにならないように、ぜひお願いいたします。
 そしてまた、御答弁の中で、現状として安心して学習できる環境づくりを行うことが課題ということがありました。この安心して学習できる環境づくりというのが、なかなか、言葉で言うのは簡単ですけれども、難しいのではないかなと思うのですが、具体策をどのように考えておられますでしょうか。

◎教育長(野口政吾君)

日本語指導等が必要な児童生徒は、大変な不安を抱えて日本に来て、そして、なかなか溶け込むことができずに不安な、なかなか難しい日々を送っている──初めはですね、そういう子も多いと聞いています。
 私たち学校もそうですけれども、考えているのは、まず子供たち──我々もそうですけれども、違いを認め合う、それが子供たち、学級全体、学校全体にそういう文化やそういう意識をつくっていこうと。そして、違いを認め合う、多様性を認め合うことによって、その子が安心して学校生活を送ることができる、そういう環境づくり。まさに国際教育の基本となってくるものだと思います。そして、それだけでなく、当然、悩みや不安や課題、それも確実に出てきます。そういうときに、相談できる、話を聞いてくれる人がいる。担任でなくても、例えば養護教諭であったり、事務室の先生であったり、管理職、校長先生、教頭先生のところに行ったら悩みを聞いてくれるとか、そういう、学校全体で、また、地域にもそういう方がおられる、そういうサポート体制をつくっていく。その2点をしっかりと重視して、安心して学習ができる環境をつくっていきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

◆田中文代 

ありがとうございます。大変心強いお言葉を頂きました。
 これ、本当に、日本語が不自由なお子さんに限らず、全てのお子さんに必要な安心できる環境づくりということになるかと思いますけれども、本当に教育長おっしゃったとおりだと思います。
 特に私感じますのは、最初におっしゃられました多様性を認め合うということなのですよね。日本は、本当、独自に横並びの感覚というものを持っていまして、この雰囲気が教室の中にあると、おのずと委縮してしまうというか、外から入ってきた子にとっては非常に重いものがあります。かねてから日本人の横並び意識には様々なところで指摘されてきましたけれども、みんなと同じであれば安心するのですよね。それが間違ったことであっても、自分が多数の中に入っていれば安心する、そういう雰囲気があって、何か間違いに気づいても、それを間違っていると手を挙げて指摘することのほうが悪いことのように感じられる、そういうものが、もし、教室の中にあるとすれば、本当に、十分に言葉を理解していない児童生徒にとっては、それだけで、自分の存在が脅かされるようなものに感じられていることと思います。
 冒頭で、日本経済新聞の記事、紹介させていただきましたけれども、支援学校の在籍率が19%にもなるという、これは本当にゆゆしき問題で、支援学校への転校を多分勧められた方だと思うのですけれども、彼らは知能が低いわけではないのですね。言葉の、日本語の知識がないだけ。本来であれば、もっと伸びる子たちなわけです。こういった、そういう異質なものをはじき出さない教室であってほしいと思いますし、学校全体であってほしいというふうに思います。
 そもそも、私は、年齢だけで学年を区切るということも日本の教育のいびつな部分ではないかと思っています。知的障害のある子供たちは別として、健常児で、もし、その子がその学年に相当する習熟度が得られていないのであれば──ドイツの学校では落第はごく当たり前でした。娘と同じクラスで学んでいた子供が、ある日突然1学年下のクラスに移るといったことが普通にありました。保護者も周囲も、それを恥ずかしいことだとは思いません。その子のためを思ってのことで、長い人生の中で、1年や2年の違いに大した意味はありません。逆に、年齢に関係なく、成績の優れた子供さんについては飛び級の制度があります。皆さん御承知のとおりだと思いますが。要は、その子にとって最適な学びを周囲がどこまで配慮できるかということになると思います。
 それでは、最後の質問になりますが、昨今、新聞や教育専門誌等で頻繁に取り上げられるようになりました全国での日本語指導が必要な児童生徒たちの教育の実態についてですが、教育長御自身はどのように感じておられますでしょうか。

◎教育長(野口政吾君)

議員さんが冒頭にも紹介されましたように、全国的にも、非常に、関東圏、また、生産が盛んな県で増えていると。これは、宇部も実は今から増えてくる可能性が、私はあると思っています。
 そして、それらの地域において、しっかりとした教育が行われている地域もあれば、急激な増加でなかなか追いついていない地域もあると。それは、私は望ましくないと思っています。
 ですから、宇部にそういう子供たちが増えてきても、その子に応じた──そして、宇部市は先ほど申しました共生社会ホストタウンですので、外国の方でも、高齢者でも、障害のある方でも、みんなが生き生きと、そして安心して暮らしていける社会、そのための学校教育をつくっていかなければならないと思っているところです。
 議員さん言われましたように、その子に応じた最適な学びを提供できるように、我々も努力していきたいと思っております。
 以上でございます。

◆田中文代 

ありがとうございました。
 日本の学校で学ぶということは、習熟度に違いはあるとしても、片言でも日本語を話したり読んだりする人間が増えて、日本という国を肌感覚で知る人たちが増えるということです。子供たちの教育は、学力テストの点数が上がる、下がるといったほんのわずかな切り口は別として、本当にその成果が目に見えてくるのは10年、20年先のことになります。
 最初にも述べましたように、加速する少子化の中で、外国人労働力の必要性は、今後、いやが応でも直面せざるを得ない問題だと思います。そして、やってくるのはロボットではなく、人です。その人の家族、生活、全てにわたり準備をしておく必要があります。本市で学ぶ子供たちが、本籍によらず、宇部というまちを好きになってもらいたいと思いますし、将来は宇部で、あるいは日本のどこかで働いてみたいと思ってくれるかけ橋のような存在に育ってくれることを願ってやみません。
 今後に向けてしっかり準備をしておいていただきますように心からお願いしますし、また、現在、現場におかれましては、御尽力されていらっしゃると思いますが、引き続き、より一層の御尽力をお願い申し上げまして、私の全ての質問を終わります。
 ありがとうございました。