令和2年(2020年) 9月定例会

令和2年9月8日(火曜日)
宇部市の公共交通事業について


田中文代の発言は、背景を青色で表示しています。

◆田中文代
 皆さん、おはようございます。チーム創生、田中文代です。
 台風10号が停電などはございますが、大過なく本市を通り過ぎてくれました。市職員の皆様におかれましては、市民の安全のために御尽力いただいたかと思います。感謝申し上げます。ありがとうございました。
 それでは、通告に従い、本市の公共交通事業について、初回一括方式にて質問させていただきます。
 平成23年、9年前に市議会議員になって、その最初の回も含め、今回で6回目となります。公共交通に関しての質問になります。よろしくお願いいたします。
 今年7月3日に公開された内閣府地方創生推進室発行の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した新たな日常に対応するための政策資料集におきましては、地域未来構想20として、3つの分野に分かれて、20項目の施策が掲げられていますが、その中の新たな暮らしのスタイルの確立という分野の中にMaaSなどを取り込んだ新たな地域交通体系の整備という項目があります。MaaSとは、モビリティアズアサービスの頭文字を取った略語で、ICTを活用して、交通をクラウド化し、公共交通か否か、また、その運営主体に関わらず、マイカー以外の全ての交通手段による移動を1つのサービスとしてスムーズにつないでいく新たな移動の概念のことで、利用者はスマートフォンを用いて交通手段やルートを検索、最適利用し、運賃の決済も行うというものです。
 大都市圏においては、かなり実用化されている場面もあろうかと思いますが、本市のようなマイカーに頼りきりの生活を余儀なくされている環境ではなかなかそのイメージすら湧きにくいかもしれません。今年3月議会の代表質問で、当会派の岩村議員が新しい交通について質問したところ、安平総合戦略局長から、本市においても自宅から目的地まで人々の移動の利便性を格段に向上させるMaaSなどの革新的技術を活用し、市民にとって利便性の高いまちづくりに取り組み、都市全体が高度にサービス化したスマートシティ宇部の実現を目指しますという御答弁がありましたが、現在のところまだまだその具体的なビジョンは市民にとってはイメージしにくい状況かと思われます。
 一方で、今回のこの政策資料集の意図は、長引く新型コロナの感染状況、ウィズコロナあるいはアフターコロナを契機として、これまで取り組んできた地方創生への課題解決を加速化させることにあると私自身は理解しており、実際に資料集の冒頭でもその狙いとして、例示する政策分野の多くには、既に地域の取組や国の施策がありますが、これらの取組を地域で実践し、一層定着させていくためにはまだまだ不足する費目、予算、体制上の課題などが見られるのが現状です。自由度の高い本交付金を活用し、不足要素を柔軟に補い、1、各分野のパートナーシップの形成、2、既存施策や国の施策との連携、3、他分野の施策との相乗効果の追求などを強め、取組の歯車をかみ合わせていくことで実現と普及に向けた道筋を描くことができますとうたわれています。
 さて、そこで、本市の公共交通事業ですが、MaaSのような技術革新の波に現れる前から、目指すところは変わりなく、市民にとって安全で利便性の高い交通体系の実現です。今から10年以上前、2009年に策定された宇部市地域公共交通総合連携計画も、つい先日、パブリックコメントの募集が終了しました宇部市自転車活用推進計画──これは国が今年度中に策定を努力義務としたものですが、これも策定の背景はマイカー脱却、環境負荷の低減、安全な移動、移動の利便性向上ということで根っこの部分は同じです。公共交通に関しては、先ほどの2009年策定の宇部市地域公共交通総合連携計画、そして2016年策定の宇部市地域公共交通網形成計画、そしてそれに続く2017年の宇部市地域公共交通再編実施計画。目途同じくして、これまで様々な計画が策定されてきたわけですが、果たして市民の実感としてその目途は実現されているのでしょうか。実のところ、私が最初に質問した9年前とほぼ変わっていない。むしろ、路線バスの減便、恒常化する運転手不足などにより、状況は悪くなっているように感じられるのは私だけでしょうか。今回はいま一度現状を把握した上で、新たな市民生活の質の向上につなげたいという狙いから3点について、質問させていただきたく思います。
 1点目は、2016年策定の宇部市地域公共交通網形成計画、通称、網計画と2017年策定の宇部市地域公共交通再編実施計画、通称、再編実施計画の進捗状況についてです。この2つについては、本市の現状を把握し、その改善のための施策の方向を示したものが前者、改善のための具体策を示したものが後者と理解しています。
 両方とも来年度が計画の最終年度となっております。目標として掲げられた数値、また、実際の改善策等、現時点での達成状況についてお答えください。
 2点目は、本市の公共交通体系におけるJR宇部新川駅についての考え方についてです。平成27年3月に策定された宇部市にぎわいエコまち計画。この計画の中には低炭素社会への転換を目指す本市の将来像に向けて、4つの取組が掲げられ、その1つとして公共交通の利用促進があり、その施策の主なものとして、宇部新川駅周辺地区の整備がありました。平成28年の6月議会において、やはり公共交通に関連して本件に関する質問を行いましたが、当時の市長答弁は次のようなものでした。宇部新川駅周辺地区の整備については、にぎわいエントランスゾーンとして、玄関口としての魅力ある空間、利便性、快適性の高いにぎわいのある都市拠点、利用しやすい広域からの交通結節点の3つの整備方針を掲げ、宇部新川駅を中心とした再開発事業を進めています。
 また、宇部新川駅南側の駅前広場周辺については、先行して事業を進めていくことを考えており、地区内の地権者の意向調査や施設需要予測や地区の課題抽出などの調査を行い、再開発に向け意見調整を図っていきます。この地区については、平成28年度中に施設計画案や施行プログラム、事業費算定、資金計画などを盛り込んだ街区整備計画の策定に着手します。計画策定に当たっては、説明会を通じて住民の意見を取り入れながら進めていきます、とも御答弁で述べておられました。
 本市の公共交通体系を考えるとき、現在も路線バスの最大の結節点である宇部新川駅の存在は最重要といっても過言ではありません。しかし、現在のJR宇部線の利便性を考えると、今後MaaS等への進化はどの程度可能なのか。疑問を抱かざるを得ません。また、今年3月に本市は国から中心市街地活性化基本計画の認定を受けましたが、現在その活性化再開発の軸足が常盤通りの市役所周辺に移ってきていることは周知の事実です。現状として、宇部新川駅周辺の整備、再開発は現在どのような状況にあるのか。また、今後公共交通事業の観点からどのように取り組んでいかれるのか、お考えをお聞かせください。
 3点目は、冒頭にも述べましたMaaSの可能性についてです。中央町三丁目のうべスタに設置されました5Gがいよいよ今月から稼働しますが、その5Gでお世話になるNTTドコモさんのビジネス情報サイト、Biz Solution by docomoの今年2月7日付けのメールマガジンにMaaSに関する特集記事が組まれておりました。以下、その記事からの抜粋で御紹介いたします。MaaSが実現することで、今まで各交通事業者ごとに発生していた予約や運賃の支払いが手元のスマートフォンで一度に行えるようになったり、事故や天候により、別の交通手段を利用しなければならない場合でも、すぐに別ルートを探して移動できるようになったり、毎月定額で指定範囲の交通手段が乗り放題になるなど、私たちの生活はより快適なものになります。もちろん高齢者をはじめとする交通弱者の外出もより便利なものになるでしょう。
 メリットはそれだけではなく、膨大なオープンデータが蓄積されることにより、輸送サービス業者間のよい意味での競争が促進されることも小売店や宿泊施設などのサービス産業でより個人の好みに合わせたサービスを提供できることも期待されています。もちろんバスの停留所をより効率的に配置したり、鉄道の不採算路線を見直したり、都市計画にも影響を与える可能性が示唆されています。それ以外にも交通の最適化がなされることにより、交通渋滞の緩和や排出ガスの削減による環境問題の改善も期待されています。
 こうした従来の交通機関の利便性向上だけでなく、コンパクトモビリティなどの新しい移動手段の普及も都市・地域の両方での交通問題の改善を促すと期待されています。
 以上です。
 3月議会の当会派の代表質問で安平局長の御答弁のとおり、本市が目指すスマートシティ、その具現化の1つがMaaSと言えるかと思います。もちろん現実的には現状は様々な負の要素が絡み合っており、すぐにこういった社会に移行できるわけではありませんが、市としてMaaSについてどのような方向をお考えか、具体的な青写真のようなものがあればお示しいただければと思います。
 以上で最初の質問を終わります。御答弁のほどどうぞよろしくお願いいたします。

◎総合戦略局長(安平幸治君)

 田中議員の御質問にお答えいたします。
 御質問、公共交通の現状と今後について、第1点、宇部市地域公共交通網形成計画と宇部市地域公共交通再編実施計画の目標に対する進捗状況についてのお尋ねです。
 本市では、平成28年3月に宇部市地域公共交通網形成計画を策定し、また、平成29年3月には、この計画を具現化する宇部市地域公共交通再編実施計画を策定しました。これに基づき、持続可能な地域公共交通網の形成と利便性向上のためバス路線の再編や主要幹線における高頻度等間隔運行、コミュニティタクシーなどの地域内交通の導入支援などに取り組んでいます。
 この計画では、令和3年度までの6年間の計画期間に8つの評価指標を設定しています。
 これらの令和元年度末時点の進捗状況については、JR宇部線の利用者数、1日当たり4,300人の目標に対して、4,327人、地域内交通の利用者数、年間9,000人の目標に対して、9,785人、公共交通乗り方教室の参加者数、年間1,000人の目標に対して、1,179人と3つの評価指標で目標を達成しています。
 また、コミュニティタクシーの目標値として、年間収支率20%については、5地域中2地域が、同じく年間利用者数1,500人以上については、5地域中3地域が達成している状況です。
 一方で、宇部市交通局の路線バスの利用者数、1日当たり7,700人の目標に対して6,064人、宇部新川駅における鉄道の乗降者数、1日当たり2,000人の目標に対して1,774人、中心市街地におけるバスの乗降者数、1日当たり5,600人の目標に対して4,030人、エコ定期券の販売数、年間1万1,350枚の目標に対して、6,294枚と4つの評価指標で目標が未達成となっています。
 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、公共交通を取り巻く状況は厳しさを増しており、公共交通の利用者数は大きく減少し、未達成指標の目標達成には厳しい状況にあります。
 今後、コロナ禍の長期化が懸念される中、本計画に基づいて、市民、交通事業者などと協働・連携することはもちろんのこと、新しい生活様式を踏まえ、ウィズコロナ対策を講じながら、使いやすく、持続可能な地域公共交通網の形成、公共交通の健全な維持を目指していきます。
 第2点、JR宇部新川駅についての考え方についてのお尋ねです。
 宇部新川駅周辺地区の整備については、南側の駅前広場周辺の3ブロック約4ヘクタールを駅前地区と位置づけ、整備計画の策定を目指し、平成29年度から、権利者を対象に勉強会を開催し、駅前広場に必要な機能やその配置案の取りまとめ、再開発の手法やその進め方などの理解を深めてきたところです。
 また、権利者が高齢化しており、民間デベロッパーとともに取り組む必要があることから、令和元年度に参加意欲を確認するヒアリングを行い、3社から再開発に前向きな回答をいただきました。
 その後、新型コロナウイルス感染症が拡大したことから、令和2年6月、再度、民間デベロッパーに対し、参加意欲の確認を行い、3社全てからウィズコロナ、アフターコロナとなっても、参加をしたいとの回答をいただきました。
 宇部新川駅周辺地区は宇部市中心市街地活性化基本計画においても、3つの重点地区の1つとして位置づけており、市の玄関口としての魅力ある機能や空間整備をすることとしています。
 しかしながら、この地区の市の所有地はバスターミナルと自転車駐輪場の約3,500平方メートルのみであり、大半が民有地であることから、土地所有者の理解なくして整備が進まない状況です。ウィズコロナの状況の中、今後は少しでも整備が図れるよう、宇部新川駅東側を中心にエリアを絞り込み、民間デベロッパーとともに、権利者との合意形成に引き続き取り組んでいきます。
 第3点目、今後のMaaSの可能性についてのお尋ねです。
 先ほど議員さんから御紹介もありましたとおり、MaaSとは、Mobility as a Service(モビリティアズアサービス)の略で、出発地から目的地までの移動における複数の交通サービスや生活サービスの検索・予約・決済などが1つのアプリで可能とする移動の利便性を高めるシステムです。
 MaaSは、その進捗度合いに応じて区分があり、MaaSの提供に不可欠な情報は統合されず、単体でサービス提供をしているレベルゼロの段階から、国や自治体、事業者が都市計画や政策レベルで交通の在り方について協調し、国家プロジェクトの形で推進される最高度のレベル4の政策の統合までの5段階に区分されています。
 日本では、まだレベル4はなく、ほとんどがレベル1の情報の統合やレベル2の予約・決済の統合と言われています。
 一方、本市ではこれまで移動のラストワンマイル、すなわち、自宅から最寄りの駅やバス停までの距離を埋めるため、グリーンスローモビリティやAI乗合タクシー、シェアサイクルなどニューモビリティの実証実験に取り組み、9月1日から中心市街地においてグリーンスローモビリティの本格運行を始めました。
 本市においては、将来MaaSには交通サービスのみならず、買い物や飲食、医療・福祉や行政サービスなどが組み込まれ、人々の生活の利便性が高まる、まちづくりの1つの方向性と考えています。
 したがいまして、本市としても、交通サービスと生活サービスを複合化するMaaSの取組を進め、マイカーに頼らなくても、便利で暮らしやすいまちづくりにつなげていきます。
 以上でございます。

◆田中文代

 ありがとうございました。それでは、再質問、要望等に移らせていただきます。
 まず、最初の項目であります網計画と再編実施計画という2つの計画の目標に対する進捗状況について、幾つか再質問させていただきたいと思います。
 御答弁によりまして、目標の達成度については項目によってばらつきがあることが分かりました。まず、お伺いしたいのですが、達成の数値の満たされていないとか、数値の低い項目についてその原因をどのように考えておられますでしょうか。

◎総合戦略局長(安平幸治君)

 お答えいたします。
 数値の低い項目、やはり公共交通等になっております。バスとかそういうところになっておりますが、やはり高齢化とか人口減少が進む中においてもこの地方都市ではマイカーに依存するライフスタイルがなかなか変わっていないというのが現状でございます。それに加えまして、交通事業者も様々な工夫をし、連携しているところでございますが、現時点でまだ利用者が使いやすい交通体系になっていないのもございます。そういうところが利用者が伸び悩んでいる原因の1つであるというふうに考えております。
 以上でございます。

◆田中文代

 ありがとうございます。
 特に、今お伺いして、エコ定期券の販売数ですね。目標の1万1,350枚に対して、6,294枚という数で、これは本当にもともとの指標自体を見直す必要もあるのかというふうに感じました。御答弁にもありましたように、とにかく来年度が計画の最終年度です。これらの項目については先ほど御答弁ではコロナ禍による影響というふうにおっしゃいましたが、コロナだけではない部分も大きいというふうに思いますので、ぜひ立てた目標についてきちんと再考していただいて、達成に近づけていただきたいというふうに思います。
 続いて、御答弁によって、コミュニティータクシー、デマンドタクシー等、これらの達成状況、利用状況には地域によって差があるということが分かりました。この点について再質問させていただきたいと思いますが。導入に当たっては各地域の皆さんと協議を重ねられて、また乗車率向上に向けての改善策も折に触れて実施されていると思いますが、今後当初の目的どおり、地域公共交通の利便性向上を狙われる、達成に向かうためには、また本当これが地域の身近な足が消滅してしまってはどうにもなりませんので、行政だけではなくて、地域住民の方々にも何かできることがあるのではないかと思うわけですが、その辺り住民の方々に望んでおられることが何かおありでしょうか。

◎総合戦略局長(安平幸治君)

 まず、やはり住民の方が乗っていただくというのが1番利便性が上がるものというふうに認識しております。その中で、私どもとしても住民の方にもう少し地域交通を知っていただきたいということで、乗っていただくことがさらなる充実につながるということを考えております。その中で、地域運営協議会とか地域支援チーム、それらとルートの見直しとか、例えば時刻表を配ったりとか、いろいろな取組も進めていっております。引き続き、地域内交通、こういうことについて周知いたしまして、乗っていただける利便性の向上も図りつつ、皆様に周知いたしまして、しっかり乗っていただけるように取り組んでいきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

◆田中文代

 ありがとうございます。やはりもうマイカーの生活に慣れてしまうと、なかなかそれをやめてほかの交通手段で動くということは難しい。私自身もそれはよく理解しています。自分が数年前に足を骨折して車に乗れない時期がありましたけれども、そのとき本当に不便を実感いたしました。車に乗れないということがこれだけ自分の生活に大きな影響を及ぼすということを自分の身をもって知りました。今、なかなかこの地域内交通、利用していただけないという状況には、やはり車があるからどうしてもそれに乗るということがあるとは思うんですけれども、本当に車に乗れなくなったらどうやって自分は移動するのだろうかと、そういうことを皆さんに考えていただく、そんなワークショップもぜひ検討してみていただけたらと思います。そういったところから何か利用の発端が見えてくるかもしれません。
 それと、既存のものもあるかとは思いますけれども、乗ることによるインセンティブですね。これについても何かアイデアを絞って探られてはと思います。やはり、これ、なくしてもらっては困る、なくなっては困るということでボランティアで無理くり乗っていても、やはり長続きしません。何かやはり乗ることによってのインセンティブがないと、難しいと思います。ぜひこの点についてもアイデアを探られてはと思います。
 それでは、次の再質問ですが、先日、近所でタクシーに乗ってクリーニングを出しに来ておられる高齢者の方を見かけました。高齢者の方にとっては、やはりドア・ツー・ドアで移動できるタクシーは、お金に余裕がありさえすれば1番利便性の高い乗り物であろうと思います。一方で、私も夜の街から帰宅する際に時々タクシーを利用させていただくのですが、乗車中に運転手さんとちょっとお話をさせていただくと、必ずといっていいほどお仕事に関する愚痴をお聞きいたします。外出自粛の長引くコロナ禍の出口の見えないトンネル、また、それ以前からも従業員の方の高齢化等、タクシー業界全体を覆っている閉塞感のようなものが感じられるわけですが、今後も公共交通の一翼を担っていただくこのタクシー。どのような形で連携を図っていかれるのか、お考えをお聞かせください。

◎総合戦略局長(安平幸治君)

 タクシーについては、やはりドア・ツー・ドアの移動手段ということで、重要な交通手段というふうに認識しております。これまでタクシー事業者とはコミュニティータクシーの運行などでも連携しておりますし、新型コロナウイルス感染症対策である飲食店配送とかでも連携をしております。
 また、免許返納時のチケット配布とか様々な取組も進めておりますので、今後ともタクシーを本市を取り巻く情勢の変化に応じて、効果的な連携に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

◆田中文代

 先日、9月7日付けの直近の東京交通新聞の記事によりますと、このままコロナ禍が続くと、タクシー事業者の85%が資金難に陥ると九州運輸局の調査結果が出たそうです。今後、やはり交通体系の再編というものが現実味を帯びてくると思いますが、民間事業者であるからなかなか行政が口を出せないとかそういうことをお考えにならずに、ぜひ一緒にタクシー業界全体の進化の道を探っていっていただけたらと思います。まだまだ個人が個別に自動運転が稼働になるには時間がかかります。それまではタクシーの需要が右肩上がりになってもおかしくない状況です。ぜひ高齢者の方が免許返納とともに、家にこもりがちになってしまうということにならないように、ぜひ行政のほうからも一歩踏み出して連携に当たっていただければと思います。
 続きまして、現在進行中の宇部市旅客自動車運送事業審議会について、お伺いいたします。
 本審議会は本年2月10日付けで、久保田市長がバス事業の在り方と運営の最適化について意見を求めますと、極めてシンプルな一文による諮問を発せられたことにより設置された審議会です。当初は8月末に答申が予定されていましたが、新型コロナの影響により会議日程の延期が相次ぎ、答申もかなり後ろにずれることが予想されますが、最終的に答申が出てきた際、その内容以下によっては網計画と再編実施計画というこの2つの計画の遂行に何らかの影響が出てくるとお考えでしょうか。

◎交通事業管理者(大谷唯輝君)

 宇部市旅客自動車運送事業審議会については、これからのバス事業のあるべき姿と最適な運営の仕方を審議いただいております。その目的は計画で示されたバス事業を円滑、かつ確実に実施するものでありますので、当審議会がこの計画を左右するものではないと考えております。また、答申については当初8月というふうなことを言っていましたが、新型コロナウイルスの影響で2回目を7月に2回、3回と行う中で、年度内に答申を指すというふうに決めております。

◆田中文代 

 ありがとうございます。
 この審議会、私も時間の許す限り2回ほど傍聴させていただきましたが、バス事業の運営、経営の在り方という大きな問題について、なかなか論点絞るのが難しく、委員の方々の発言も低調で、こういった経営戦略的なアプローチに向く委員の方々の人選であったのか、最終的な答申の内容について委員の方々がどこまで責任を持てるのかという点についても疑問が残りました。年度内に答申が出てくるということですが、注視してまいりたいと思います。
 それでは、次に、宇部新川駅周辺の件についてですけれども、これはもう再質問は省かせていただきます。なかなか地域住民の方との協議が進んでいかないということでしたけれども、新川駅周辺が今の人がいないだけでなく、みすぼらしい印象を受ける景観になってからかなりの年月が経つと思います。毎日見ていると慣れると。地方都市はみんな同じというのも確かなのですけれども、やはり外から来られた方にここが宇部の町の顔と思われることには切ない思いがあります。地権者の方、地域住民の方にはこの地点の公共性をいま一度御認識していただいて、先ほど意欲を持ってくださるデベロッパーの方が3社あるということでしたけれども、ぜひ積極的に景観整備にも御協力いただけたらと思います。前に進めていただくように、ぜひよろしくお願いいたします。
 最後の質問項目、これも要望に留めさせていただきますけれども、生活に密着した形でMaaSを進めていかれるということで、私も本当にその考えに賛同いたします。近年の技術革新のスピードは以前では考えられないほど加速しておりますので、その時々の最適なものが次々と塗り替えられていくという状況にあります。新しいものに飛びつかず、それよりも現状で落ちこぼれて取り残されていくものをいかに最小にするか。この視点を忘れずにMaaSについて取り組んでいただければと思います。
 最後に、新聞コラムからの引用を踏まえて、1点、要望させていただきたいと思いますが、8月3日付けの日本経済新聞の経済教室ページ、私見卓見という投書コラムにウィーン工科大学交通研究所研究員の柴山多佳児さんが公共交通に戦略的投資をというタイトルで御意見を寄せてございました。以下抜粋して読ませていただきます。
 新型コロナウイルス感染拡大と新しい生活様式の定着は公共交通の事業環境を大きく変えている。乗客減の継続で鉄道やバス会社の経営が行き詰まり、住民の足がなくなる交通崩壊を多くの専門家が危惧している。
 オーストリアの公共交通機関も一時は乗客が9割以上減るなど、影響は甚大だった。しかし、日本のように事業者が資金繰りに追われるような事態は起きていない。鉄道やバスの民間事業者が公共サービスの提供者として平時から国と州政府の支援を受けて経営できる制度になっているためだ。興味深いのは都市部では外出制限下に自動車の車線を削減し、自転車レーンを増やしたことだ。地方では国が3億ユーロ、約360億円を追加投資し、鉄道の駅と線路の近代化、増便を図ることが発表された。余暇や観光など、通勤通学以外でも公共交通の利便性を高めることで経済のてこ入れと環境負荷の低減を図るという戦略的な意味合いがある。
 日本では伝統的に交通事業はビジネスとの感覚が根強い。従来は大手私鉄の多角経営による地域の発展といったメリットもあった。しかし、新型コロナは収入が急減しても、運行継続を求められるという交通事業の公益性を社会に再認識させた。公共交通が廃止されると住民の足が自動車に全面的に依存してしまい、地域衰退の引き金とさえなり、今こそ交通事業を公共サービスと認めるべきではないか。国や自治体が地域の持続的発展のために公共交通に戦略的な投資を可能としていく制度が必要である。以上です。
 私もこの柴山氏の御意見に激しく同意するものの1人です。9年前に私は最初に公共交通に関する質問をした際、路線バスについて高齢化が急速に進行する一歩手前の今こそ大きな基盤整備をすべきではないかという意見を述べさせていただきました。路線バスで言えば、不便だから乗らない、乗らないから運行便数を減らす、路線を縮小するという現在の負のスパイラル、どこかで逆に回さないと、国からの補助があるから成り立っている事業とはいえ、市から毎年赤字を補填し続ける現在の状況に納得できる市民は少ないと感じます。公共交通の基盤整備は、今後本市が目指すスマートシティづくりの一環ときちんと位置づけていただいて、そのための戦略的な基盤整備のための予算をしっかりつけていただきたい。このことを強く要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。