平成27年12月定例会

平成28年(2016年) 12月定例会

平成27年12月11日(金)

1. 障害者差別解消法に向けて


田中文代の発言は、背景を青色で表示しています。

◆田中文代
おはようございます。チーム創生、田中文代でございます。通告に従いまして、一般質問を行います。

年が明けて来年2016年4月1日より、アメリカにおくれること25年、ついに日本でも障害者差別解消法が施行されることとなりました。

この法律は、誰もがお互いの人格と個性を尊重して支え合う共生社会の実現を目指して、障害のある人たちが社会参加するときに存在するさまざまな障壁、差別をなくしていくことを目途に定められたもので、正式名を障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律といいます。

この法律のポイントは、障害のある人に対する不当な差別的取り扱いと合理的配慮の不提供を禁止するという2点であり、来年4月のスタートに向けて、対象者である国や地方の公共団体、教育、医療、公共交通などの各種機関、民間企業、事業者、その他NPO、社会福祉法人などの非営利事業者などはもちろんですが、根本的には全ての国民一人一人がこれから理解を進め、法の遵守に努めていくべきものです。

不当な差別的取り扱いとは、例えば、レストランやお店に入ろうとしたときに、車椅子や盲導犬連れであることを理由に断られたり、スポーツクラブやカルチャーセンターなどに入会しようとした際、障害者であることを理由に断られたりといったことで、合理的配慮の不提供とは、災害時や緊急時に、視覚障害や聴覚障害のある人に適切な情報提供が行われなかったり、車椅子利用者であるために、通常運行のバスや電車に乗ることができなかったりと数え上げれば切りがありませんが、こういったさまざまな障壁、差別が、障害のある人たちの日常にはちりばめられているのが現状であろうと思われます。

法律自体は、今日を含めて、いよいよあと112日ほどでスタートします。果たして、その準備はどこまで進んでいるのか。現時点での検証を行う意味で、今回質問させていただきたいと思います。

質問項目の1点目は、市職員の対応要領についてです。

平成27年度の市役所健康福祉部障害福祉課の方針書スケジュールによれば、8月ごろに国の対応要領が完成するのを受け、その後、意見の聴取などを行って、11月には市の対応要領が完成し、12月から来年2月にかけてが庁内研修の実施も含めて周知期間となっています。事前にお話を伺ったところ、国の対応要領が、案だけが早くにできて示されている状態で、この案をもとに、本市としての要領を作成されているとのことでした。

この市職員対応要領について、以下の3点について質問させていただきます。

ア、具体的な内容。

イ、国の対応要領(案)との相違点は。

ウ、平成28年4月の法律施行以降の実施状況の検証についてはどのように行われるのか。

以上3点、できる限り具体的な御答弁をお願いいたします。

質問項目の2点目は、合理的配慮の提供についてです。

法律では、合理的配慮については、行政機関などは法的義務、民間事業者などは努力義務としています。もともと、この法律には抜け道があって、障害のある人の社会的障壁を取り除くための負担が過重となる場合は法的差別にはならないと定められています。何が過重な負担と判断されるかというと、実現困難度、費用・負担の程度、事務・事業への影響の程度、財政・財務状況などがあり、特に費用や財政状況という経済的な理由で実現できないことをよしとされるとなると、実際には合理的配慮の提供がなかなか進んでいかないのではないかと、正直、不安に思われるところです。

そこで、この項目についてですが、2点ほどお伺いいたします。

1点目は、現在の市の施設についての現状の課題と今後の取り組みについてです。

例えば、市内24校区のふれあいセンターについて、厚南と上宇部については隣保館になりますが、市の作成しておられるバリアフリー施設一覧によりますと、車椅子での利用が可能なのは万倉ふれあいセンター1件のみです。私の地元の川上校区のふれあいセンターにしても、エレベーターがありませんので、新年互礼会などの校区のいろいろな行事に使われる2階のホールには、車椅子の方は上がることができません。現在、市内の施設で行われている行政関係のさまざまな協議会やワークショップにしても、視覚障害や聴覚障害のある方たちへの準備や配慮がきちんとされているかというと、甚だ疑問に思われるところです。

現状について、課題をどのように認識され、今後、法律の施行に伴ってどのような合理的配慮を進めていかれるのかお伺いいたします。

質問の2点目は、公共交通における対応と、現在、策定が進む地域公共交通網形成計画へのそれらの反映についてです。

私は冒頭に、この障害者差別解消法について、アメリカにおくれること25年、ついに日本でもということを申し上げました。アメリカでは、既に四半世紀前の1990年にADA、通称アメリカ障害者法が制定され、障害による差別が法にのっとって明確に禁止されています。例えば、レストランなどにおいて、スロープの準備のない、車椅子では入店できないような段差のあるエントランスは法律違反です。

ことし7月に全米自立生活センター(NICL)が、このADA25周年を記念して、首都ワシントンDCで祝賀会と連邦政府機関との会議を開くことになり、主催者であるNICLと米国大使館の全面的な協力を得て、日本の若い自立生活活動の実践者たちも、それらのイベントに付随した視察交流セミナーに参加することになりました。

そして、このアメリカでの研修旅行に、宇部市からも、電動車椅子を使って生活されている1人の脳性麻痺の女性が参加されました。去る10月17日、彼女は2週間にわたるアメリカでの体験について、市内で報告会を行い、私は彼女の話から、改めて私たちが普段、いかに障害のある人たちの生活について無頓着であるかを考えさえられました。アメリカ滞在中、ホテルを出てイベントの会場に向かうのに、電動車椅子でバスに乗り、地下鉄に乗る。その間、誰に何もお願いしなくてもいいし、誰の手も煩わせない。そのことを体験したとき、彼女は本当に生きた心地がしたと言っていました。

当たり前のことを当たり前にできる、自分が障害者であることを感じさせない。これはハード面だけでなく周りの人間の意識も大きいと思いますが、アメリカにおくれること25年、これから日本も、少しでもこういう社会に近づいていくべきだと思います。

我が国では、本格的な高齢化社会の到来と、障害者の自立と積極的な社会参加を促すために、平成6年制定のハートビル法と従前からの交通バリアフリー法を統合する形で、平成18年にバリアフリー新法が施行され、同法については、地方公共団体が条例によって拡充・強化できるとされています。

今回、新たに障害者差別解消法が施行されることによって、公共交通の分野においても、より一層バリアフリーなどの合理的配慮が進められていくことを期待するところですが、折しも本市においては、現在、地域公共交通網形成計画の策定が進行中です。本市における公共交通を用いたさまざまな移動のネットワークを再構築することを目途としている今回の計画について、障害者への合理的配慮の視点はどのように反映されるのか。現時点での構想で結構ですのでお聞かせいただければと思います。

ことし3月議会における施政方針演説において、久保田市長は、障害者差別解消法の施行に向けて、障害者が安心して暮らせる地域づくりを推進いたしますと明言されました。その実際の推進に向けた具体策の幾つかになろうかと思います。御答弁をどうぞよろしくお願いいたします。

これで、私の壇上での質問を終わります。

◎久保田后子市長
田中議員の御質問にお答えをいたします。

御質問、障害者差別解消法に向けて。

第1点、市職員対応要領。

ア、具体的な内容、イ、国の対応要領(案)との相違点についてのお尋ねですが、これらは関連がありますので、一括して答弁をさせていただきます。

障害者差別解消法に作成が規定されている市職員対応要領は、障害を理由とする差別解消に向けて、市職員が適切に対応するために必要な事項を定めるものであり、本市においても障害者団体の意見を聴取しながら作成を進めています。

現在作成中の市職員対応要領の内容は、国や県の職員対応要領と同様に、不当な差別的取り扱いの考え方と具体例、並びに合理的配慮の考え方と具体例を示すとともに、管理職の責務としての職員への指導と注意喚起の実施、障害者からの苦情等に対応するための相談体制の整備、また、職員への研修の実施などを記載することとしています。

さらに、本市独自の取り組みとしては、市職員対応要領を補完するものとして、平成25年3月に作成した情報バリアフリー化の手引きを活用いたします。これについては、障害者団体の意見を踏まえるとともに、職員の失敗事例も含めた実践経験を生かした内容に改定し、合理的配慮の実践マニュアルとして位置づけます。

また、障害バリアフリー化の手引きを活用した職員研修を研修体系全体に盛り込み、合理的配慮を職員個人の取り組みに任せるのではなく、宇部市役所の組織としての対応力を高めることで、人権意識とあわせて次の世代に引き継ぐことを目指します。

ウ、平成28年4月以降の検証についてですが、本市では法の施行にあわせて、障害福祉課内に障害者差別にかかわる相談窓口を設置し、障害のある方への職員の対応状況について実態を把握するとともに、課題が生じた場合には迅速な対応を行います。

また、検証を要する事例については、庁内関係課などを構成メンバーとする職員対応要領専門部会において協議、検討を行って、情報共有と差別の解消や適切な合理的配慮の提供に取り組んでいきます。

さらに、この取り組みを検証し、実効性を高めていくために、第三者の意見を反映することができる仕組みを構築します。

一方、市の事務や事業以外について寄せられた相談については、法の施行に先駆けて、平成28年2月に市が設置する障害者差別解消支援地域協議会において、解決に向けた協議と情報共有をすることとしています。

この地域協議会は、国の機関、障害者団体、教育・福祉機関、医療・保健機関、また、民間事業者、法律関係者などで構成することとしており、幅広い見地からの意見を得ることによって、機能の充実が図れるものと考えています。

これらの相談窓口や地域協議会の設置、障害者団体との意見交換や障害者を支援する団体から広く意見聴取を行うなど、市内で発生する障害者差別の実態の把握と検証をして、障害者差別のないまちづくりに取り組んでいきます。

第2点、合理的配慮の提供。

ア、市の施設についての現状の課題と今後の取り組みについてですが、障害のある方の外出や社会参加を促進するため、市の施設の新設や改修の際にはバリアフリー法や山口県福祉のまちづくり条例に基づいた整備を行っており、順次バリアフリー化を進めているところです。

しかしながら、御指摘のとおり、ふれあいセンターではエレベーターが設置されていないなど、バリアフリーへの配慮が十分ではない状況です。エレベーターの設置が必要な施設は、港町庁舎、北部総合支所、保健センターと万倉を除くふれあいセンターなど32施設ですが、建物の構造等の検討が必要であり、今後、詳細な調査を実施して、改修が可能なものについては計画的に整備をしていきます。

また、車椅子で利用できるトイレの整備が必要な施設は、北部総合支所や7つのふれあいセンターなど9施設であり、今後、年次的な改修を行っていきます。

あわせて、それぞれの施設の整備までの期間については、代替施設の活用や、会議やイベント等の開催に当たっては障害のある人が市の施設を安心して利用できるよう、職員による配慮を実施していきます。

なお、出入り口の段差の解消や室内を安心して歩行するための点状ブロック、音声による誘導装置、非常用回転灯の設置など、障害の種類に対応して、さらに必要となる設備についても、順次整備を進めていきます。

また、ソフト面においても、特に情報バリアフリーの面で、個々の障害の特性に応じたきめ細やかな対応が課題となりますので、職員が適切に配慮ができるよう、新たに改定する情報バリアフリー化の手引きを活用して、職員研修等による周知を実施していきます。

さらに、市の施設の合理的配慮の提供を促進するためには、市職員だけではなく、施設を利用する市民の障害者への理解と配慮も必要であり、市民への理解促進もあわせて実施していくこととしています。

イ、公共交通における対応と現在策定中の地域公共交通網形成計画への反映についてですが、公共交通については、平成27年11月に国土交通省から、鉄道やバス、タクシーなどの交通事業における、障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針が示されたところであり、各交通事業者において、対応指針を積極的に活用して、取り組みを主体的に進めることとされています。

本市としても、法の施行に先駆けて、平成28年2月に設置する障害者差別解消支援地域協議会等において、交通事業者を初め民間事業者等へ幅広く周知を図ります。

また、現在、公共交通ネットワークの再構築に向けて、マスタープランとなる地域公共交通網形成計画を策定中です。この計画では、コンパクトシティーの形成に向けて、公共交通の利便性を向上させるため、市内数カ所に、乗り継ぎ拠点となるハブの整備を検討しています。

施設の整備に当たっては、段差の解消はもとより、車椅子のスペースの確保や乗りおり、乗りかえの利便性、わかりやすい表示など、バリアフリーを推進し、障害者が安心して移動できる公共交通を目指します。

アメリカにおくれること25年、これから日本も、そして宇部市も、少しでも近づけていきたいと私自身も思っております。

以上で、私の壇上での答弁を終わります。

◆田中文代
ありがとうございます。力強い御答弁、特にバリアフリー化に向けましては、実施に向けての前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございました。

それでは、質問席から、再質問、要望等をさせていただきたいと思います。

項目の1点目の市職員対応要領についての御答弁の中で、本市においても、障害者団体の意見を聴取しながら作成を進めているとのお答えでしたが、この意見聴取のスケジュールと対象者、また、アンケートや聞き取りなど、どのような形でしておられるのか、お伺いいたします。

◎青木伸一健康福祉部長〔福祉事務所長〕

お答えをいたします。

8月中旬から9月末にかけまして、市内13の障害者団体に、市の窓口業務やイベントなどの市の事業に求める合理的配慮について調査を実施したところです。

結果としては、例えば、文書はわかりやすい表現でルビを振っていただきたいなど、52件の意見が寄せられたところであります。その意見を踏まえまして、庁内の職員対応要領専門部会を開催して、現在、職員対応要領の作成を進めているところであります。

また改めて、昨日でありますけれども、12月10日、障害者団体の方々に対して、職員対応要領の現在の案につきまして説明する機会を設けて、1月上旬までに御意見をいただくようにしているところでございます。

以上です。

◆田中文代
ありがとうございます。

着実に進めていただいているようで、ありがたい限りですが、ことし3月に発表されました宇部市障害福祉プラン、この冊子によりますと、本市の障害者の状況は、昨年4月の統計で、身体障害者手帳所持者が7,572人、知的障害を対象とする療育手帳所持者が1,363人。これらの数字は年々ふえ続けておりまして、今後、高齢化も確実に進んでいく予想となっております。

今お答えいただいた内容で、意見聴取を進めておられるということですが、例えば、今この議会中継を、ラジオやインターネット中継などで見聞きしておられる障害者の方の中に、自分はそんなことは知りませんでしたとおっしゃる方が、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。今後、こういう聞こえてこない声、あるいは本当に自分たちの意見を伝えるすべを持たない方もいらっしゃいますので、重々漏れのないように意見を拾っていただければと、よりよい対応要領にしていただければと思います。

続きまして、2点目です。

職員対応要領を補完するものとして、情報バリアフリー化の手引きを、職員の失敗事例を含めた実践経験を生かした内容に改定するとのお答えがありましたけれども、事例は庁内の全域から上がってきているものでしょうか。差し支えなければ、一部教えていただければと思います。

◎青木伸一健康福祉部長〔福祉事務所長〕
お答えをいたします。

事例につきましては、健康福祉部内だけではなくて、庁内全体の事例を生かして、情報バリアフリー化の手引きの改定を現在進めているところであります。

具体的な失敗事例ということでありますけれども、例えば聴覚障害者の方からは、会議の中での意見が長過ぎて、説明が長過ぎて、要約筆記とか手話通訳が対応できなかった。また、視覚障害者の方からは、広報うべに一緒に配布する一覧やホームページで必ず確認してくださいとあるにもかかわらず、一覧の音訳、点訳ができていなくて確認することができなかったなどの失敗事例があるところであります。

なお、これらの事例につきましては、関係課に周知をして改善に努めたところでございます。

以上です。

◆田中文代
ありがとうございます。具体的な事例がいろいろと上がってきているようですので、ぜひ改善に努めていただきたいと思います。

さて、この情報バリアフリー化の手引きを活用した職員研修を研修体系に盛り込むとの御答弁がありましたが、来年4月の法律施行に間に合うのでしょうか。4月以降はどのような研修スケジュールを組んでおられるのでしょうか、お答えください。

◎青木伸一健康福祉部長〔福祉事務所長〕
お答えをいたします。

職員対応要領につきましては、平成28年、来年の2月上旬を策定のめどに、現在準備を進めているところであります。策定後は庁内のネットワークに掲載するとともに、2月中旬から下旬にかけまして、課長職以上の研修を実施して、所属長を通じて全ての職員に周知を図っていきたいというふうに考えております。

また、4月以降につきましては、さまざまな職員研修の機会を活用して、障害者差別の解消に向けたプログラムを盛り込んで周知を図っていきたいと、そのように考えているところでございます。

以上です。

◆田中文代
ありがとうございます。

いろいろ計画していただいているようですが、職員の方々、日々忙しくしておられると思いますので、こういった研修ができるだけスムーズに運ばれるように、今までないことでもありますので、これが重荷にならないように、逆の効果を生まないように、ぜひ研修については前向きに進めていただきたいと思います。

それでは、次にまいります。

今後は障害福祉課内に障害者差別にかかわる相談窓口を設置するとのことでしたが、法律の施行周知に伴って、今後、具体的な相談がふえることが想定されます。例えば、スーパーに設けられた障害者用の駐車スペースに対象者でない車がとまっていると、こういった苦情が寄せられる可能性もあるかと思います。市の事務や事業以外について寄せられた相談については、来年2月に障害者差別解消支援地域協議会、これが設置されて、解決に向けた協議と情報共有をするとお答えがありましたけれども、そういった障害者の方たちから寄せられる相談に、市としてスピード感を持って解決に動くことができるのか。この協議会というのは、多分、月に1回とか、そういうペースになるのではないかと思うのですが、スピード感を持った対応は可能なのでしょうか。

◎青木伸一健康福祉部長〔福祉事務所長〕
お答えいたします。

御質問の例のようなことにつきましては、本市としては、まず、民間事業者等にこのような苦情が寄せられていますということをお伝えをいたしまして、張り紙とかアナウンスも含めて、できる限りの対応をお願いしていきたいというふうに考えるところであります。

また、このような事例が発生する背景には、やはり、市民の障害者への理解が不足しているということも当然考えられますので、先ほど議員からも御指摘のありました障害者差別解消支援地域協議会などを通じて情報を共有するとともに、地域とか学校とかでさまざまな機会を捉えて、障害者理解の周知啓発を今後とも引き続き行っていきたいと、そのように考えるところでございます。

以上です。

◆田中文代
ありがとうございます。

今も出てまいりました障害者差別解消支援地域協議会についてでございますが、国が発行しておりますパンフレットによれば、組織のイメージやその構成員といったものが、従前からあります宇部市の地域自立支援協議会とかなり似通っているのではないかというふうに思われますが、この自立支援協議会との相違点はどのような部分でしょうか。

◎青木伸一健康福祉部長〔福祉事務所長〕
お答えをいたします。

障害者差別解消支援地域協議会は、障害者差別の解消に向けた意見聴取や協議、そして差別に関するさまざまな分野への情報共有を目的として、障害福祉関係者だけではなくて、人権の関係機関、民間事業者、法律関係者などの幅広い分野の委員で構成することを予定しております。

一方、現在あります宇部市地域自立支援協議会は、障害者総合支援法に基づき、障害者団体やその支援機関、そして就労支援機関、福祉団体など、主に障害福祉に係る団体などで構成し、障害者の福祉施策全般にわたって協議を行っていただくというような措置で位置づけているところでございます。

以上です。

◆田中文代
わかりました。ありがとうございます。

障害関係だけではありませんけれど、かなりその協議会や審議会といった委員の方たちが重複するというか、同じ方が出られるというようなことも多いので、今回新たに協議会を設けられるということですので、ぜひ、そのあたりも考慮していただいて、今までなかった声を拾っていただけたらというふうに思います。よろしくお願いします。

それでは続きまして、この地域協議会とは別に、御答弁では、職員の対応について実効性を高めていくために、第三者の意見を反映することができる仕組みを構築しますとありました。これは具体的には、どういう人たちがかかわる、どういう内容の仕組みになるのでしょうか。

◎青木伸一健康福祉部長〔福祉事務所長〕
お答えをいたします。

第三者からの意見が反映できる仕組みを構築するということでございますけれども、本市では、これまで平成18年に、先ほどもありました宇部市地域自立支援協議会を設置しております。この地域自立支援協議会への報告と検証を通じて、第三者の意見を反映させるとともに、事例を蓄積していくことで改善をしていく仕組みを構築していきたいと、そのように考えているところでございます。

以上です。

◆田中文代
ありがとうございます。

いろいろな機関というか、協議会であったりとかグループがふえて、ふえることはいいのですけれども、それが実質的にというか、効果的に力を発揮し合うようなものにしていただければと切にお願いいたします。

それでは、最後の質問ですが、合理的配慮の提供を促進するには、市職員だけではなくて、施設を利用する市民の障害者への理解と配慮も必要であり、市民への理解促進もあわせて実施していくこととしていますという御答弁がありました。この実施の内容についてお答えください。

◎青木伸一健康福祉部長〔福祉事務所長〕
お答えをいたします。

現在も、障害当事者やその御家族の方を講師にお招きいたしまして、地域や学校において、障害者理解に関する講演会や障害者との触れ合い活動の開催を支援しているところでございます。

さらに、合理的配慮を提供していくには、何が差別なのか、具体的な差別事例について知ることが最もわかりやすく重要と考えておりますので、障害者差別事例集などを新たに作成して、地域や学校、事業所等の勉強会で活用できるように、さまざまな機会を捉えて啓発をしていきたいと、そのように考えているところでございます。

以上です。

◆田中文代
ありがとうございました。

済みません、時間がなくなってしまいましたが、来年、2016年が障害者にとっては新たな元年となります。健康福祉部長さんに今お答えいただきましたけれども、これは全庁を挙げて、全ての部課で認識してやっていっていただきたいと切に要望いたしまして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。