平成26年(2014年)12月定例会
平成26年12月15日(月)
ふれあいセンターのあり方と今後について
1・宇部市公共施設マネジメント指針で示された個別方針の今後の展開
2・現状と今後のあるべき姿
ア・機能
イ・運営体制
ウ・維持管理経費
田中文代の発言は、背景を青色で表示しています。
◆田中文代
新風会の田中文代です。通告に従いまして一般質問を行います。
本市においては、生産年齢人口の減少による市税収入の減少が避けられない中、中長期的視点に立った持続性のある財政基盤の構築のために、現在、行財政改革加速化プランに基づいて歳出の引き締め、歳入の増加に向けて、数々の取り組みが行われています。
その1つとして、市が保有する公共施設について、将来における財政負担の軽減と、利用満足度の向上を目的とした公共施設マネジメントの推進が進められており、ことし5月には素案に対するパブリックコメントの実施を経て、宇部市公共施設マネジメント指針が策定されました。この指針に先立つこと1年前の昨年3月、市は宇部市公共施設白書というものを作成し、市内各所で説明会を行い、私も西岐波ふれあいセンターで行われましたその説明会に参加いたしました。
白書によりますと、本市が保有する全部で215ある公共施設を、利用形態別にパーセンテージの高い順で見ていきますと、学校関連施設が43で20%、市民交流施設が36で16.7%、公営住宅が29で13.4%、教育文化施設が18で8.4%、スポーツ施設と産業観光施設がそれぞれ13で6.1%と、ここまでで全体の70%超を占めております。これは施設数であって、建物の棟数や敷地面積など、また違った観点で見なくてはならない部分もありますが、とりあえず、この白書が作成された段階の説明会での市の担当者の方の話によりますと、このまま何も策を講じずにこれらの公共施設の維持管理を続けていった場合、本市の財政はあと10年で破綻するという、恐ろしいものでした。
最近では、夕張市やデトロイト市の例もあって、財政破綻という言葉がかなり身近なものになっている感もありますが、市財政が破綻するとどうなるのかというと、破綻した途端に一般市民が飢えるわけでもなく、建物が倒壊するわけでもありませんので、なかなかイメージしにくいかと思いますが、要は宇部市という地方自治体が死ぬということです。もしかしたら本市が地方自治という機能を維持できなくなるかもしれない。そういう深刻な事態に陥る可能性があるという危機感が、どのくらい市職員の方たちや我々議員、そして市民の間で共有できているのか。中心市街地が寂しくなって久しい、昔のにぎわいが懐かしい、活性化してほしいという多くの声がある中で、私はもっと、オール宇部で足元を見つめる必要性があるのではないかと常々思っております。
今後、これらの公共施設をどのように精査し、より効率的に整理保全を進めていくのか。それらの方向を示したものが先に述べた宇部市公共施設マネジメント指針というものになるわけですが、さきにパーセンテージを示しましたように、施設数の上位2つは小中学校などの教育施設と、市内24校区、それぞれに設置されているふれあいセンターが主なものになります。
学校施設については、現在、子供たちへのよりよい教育という観点から、教育委員会が主管となり、統廃合へ向けた協議も進められてきているところですので今回は取り上げませんが、各校区のふれあいセンターについては、もともとは自治会の集合体である校区コミュニティーの活動拠点とも言うべき施設ですから、ほかの施設のように施設の維持管理が困難なので廃止あるいは統合という単純な話にはならないと私は考えております。
そこで、質問の1点目ですが、宇部市公共施設マネジメント指針について、指針の中では、ふれあいセンターなどの市民交流施設への今後の指針として、以下の5点が挙げてあります。人口減少を踏まえた施設規模の検討、ほかの施設との機能の複合化、継続保有する施設の保全スケジュールの設定、地域住民を交えた検討、適正な受益者負担金(施設利用料)の導入、以上5点ですが、このうち最後の、適正な受益者負担金(施設利用料)の導入については、6月議会で長谷川、真鍋両議員からの質問もございましたし、市のほうでも6月議会後に宇部市公共施設使用料の基準(案)を示し、翌7月にかけてパブリックコメントの募集を行い、22名の市民の方から、ふれあいセンターに限りませんが、施設利用料の導入について36件の意見が寄せられたところであります。
今回はこの部分を除きまして、これらのマネジメント指針における個別方針について、今後どのようなタイムスケジュールで進めていかれるのか、今後の展開について現時点でのお考えで結構ですので、御説明いただきたいと思います。
続きまして、質問の2点目は、ふれあいセンターの現状と今後についてです。
そもそもふれあいセンターは、宇部市ふれあいセンター条例の第1条において、市民の福祉の増進並びに地域住民の健全な育成及び生涯学習の推進を図るために設置すると、その目的が定められているものです。また、センターの管理運営については、同条例の第10条において、市長の諮問に応じ、ふれあいセンターの管理運営について必要な事項を調査・審議するため、宇部市ふれあいセンター運営協議会を置くとなっています。
また、この条例の施行に関しましては、条例制定と同年の昭和51年に宇部市ふれあいセンター条例施行規則が定められており、先ほど条例の文言に出てまいりました、センターの管理運営を担う宇部市ふれあいセンター運営協議会については、その第4条に、委員は27人以内で組織し、次に掲げる者のうちから市長が任命する。1、地域住民または地域団体の代表者。2、学識経験者。第5条においては委員の任期を2年と定めてありますが、ヒアリングの段階で確認させていただいたところ、この全てのふれあいセンターを統括するものである宇部市ふれあいセンター運営協議会については、現在は設置されていないとのことでした。
実際のところ、各校区の管理運営に関しては、各校区の任意団体である運営協議会などに協力を仰ぐ形で進められており、例えばセンターで行うコピーや複写機による印刷の料金についても、各校区によって実にさまざまです。センター内の会議室を利用する際の使用料や備品の貸し出しについても、市民の方からは校区間の差異が大きいとの声が寄せられています。同じ市内でありながら、住む校区によってセンターから受ける恩恵がこれほど違っていいものなのか。
現在、ふれあいセンターについては庁内の各部にまたがって所管しておられると思いますが、質問の2点目の1項目といたしまして、市としてふれあいセンターの市民に対する機能をどのように定義づけられており、現状をどのように把握しておられるのか、お伺いしたいと思います。
ことし7月には庁内において、IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表である川北秀人氏を講師に招き「自治を回復し、まち・むらの課題を、まち・むらの力で解決するために」と題する職員研修が行われ、各校区のふれあいセンター館長にも受講の対象者として招集がかかりました。市として意図するところがあっての招集であったはずと考えるわけですが、市として本来、ふれあいセンターの果たすべき機能をどのように考えておられるのか、考えをお聞かせいただきたいと思います。
続きまして、質問2点目の2項目は、ふれあいセンターの運営体制についてです。先ほど述べましたように、センターの管理運営に関しては、各校区地元の運営協議会の裁量にゆだねられているように見えるわけですが、センターの館長や事務職員さんについては、市が嘱託職員という形で採用しておられると思います。館長さんについては、退職された市役所職員あるいは学校の校長先生などがなっておられるケースが多いように見受けますが、近年、行政職員ということでなく、一般枠による採用が行われているとも思います。
この方たちはどのような基準によって採用され、また採用後は業務に必要な研修等を受けておられるのか、運営協議会の中での立ち位置はどのようなもので、どんな権限を担っておられるのか、お示しいただければと思います。
質問2点目の3項目は、維持管理費用についてです。ふれあいセンターの維持管理費の収支の本来のあり方をどのように考えておられるのか。6月の真鍋議員の使用料徴収の基本的な考えを問う質問に対して、片岡総合政策部長からは、宇部市公共施設マネジメントに沿って、市民が選択して利用できる施設においては、その利用者に対してその負担を求めていくことや、適正な使用料の設定の検討をお願いするといった、今後についての御答弁がありましたが、現在の各ふれあいセンターの維持管理費の収支の状況についてお示しいただくとともに、どういう状態にそれを持って行くのが市が考える適正な使用料のあり方なのか、お示しいただければと思います。
以上で、私の壇上での質問を終わります。御答弁のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
◎久保田后子市長
田中議員の御質問にお答えをいたします。
御質問、ふれあいセンターのあり方と今後について。
第1点、宇部市公共施設マネジメント指針で示された個別方針の今後の展開についてのお尋ねですが、本市においては平成25年3月に宇部市公共施設白書を作成し、市が所有する公共施設の現状を明らかにして、これをもとに今後の公共施設のあり方を検討していく上で、平成26年5月に宇部市公共施設マネジメント指針を策定いたしました。
ふれあいセンターについては、施設の半数以上が建築後30年を経過しており、老朽化が進んでいること、また建築時から現在に至るまでコミュニティー人口が大きく変動していることなどから、この指針では個別の方針として、人口減少を踏まえた施設規模の検討、ほかの施設との機能の複合化、継続保有する施設の保全スケジュールの設定、地域住民を交えた検討、適正な受益者負担金の導入などを示しています。
加えて平成26年4月に、国から地方自治体に対して、今後の公共施設の管理に関する基本的な方針を定めた計画として、公共施設等総合管理計画の策定が要請されたところであり、本市におきましても国の指針を踏まえ、ふれあいセンターを含め、本市の公共施設を対象とした公共施設等総合管理計画を平成27年度中に策定したいと考えています。
なお、この計画では、人口の動向や施設ニーズの変化、財政的な視点などから、本市の将来における適切な施設保有量を設定するとともに、各地域において機能が異なる施設の複合化の検討や、施設の長寿命化のための計画的な点検・補修の方針など、限られた財源の中で、市民満足度の高い活力あるまちづくりを進めるため、公共施設の中長期的な方向性等を示していきます。
また、計画の策定に当たりましては、説明会の開催など、適宜、市民や施設関係者等との情報共有を図っていきたいと考えています。
第2点、現状と今後のあるべき姿、ア、機能についてですが、ふれあいセンターは宇部市ふれあいセンター条例に基づき、市民の福祉の増進並びに地域住民の健全な育成及び生涯学習の推進を図るために、市内24校区に設置しています。
具体的な機能としては、地域活動の拠点としての機能を持つほか、23カ所では避難場所としての防災機能があり、16カ所では住民票等の証明書発行業務などの市の出張所としての役割を兼ねており、多面的な機能を有しています。
このように、ふれあいセンターは地域づくりの重要な活動拠点としての役割を果たしてきましたが、人口減少や少子高齢化が進行する中、住民にできるだけ身近な地域での行政サービスの充実が求められていると考えています。したがって、今後、市民の意見を聞きながら、必要な機能について検証していきたいと考えています。
イ、運営体制についてですが、宇部市ふれあいセンターは年末年始の6日間を除き開館しており、開館時間は午前9時から午後10時までとなっています。平日の午後5時15分まではふれあいセンター職員が業務を行い、それ以降の時間外並びに土日及び祝日は、施設管理業務などを外部委託して運営しています。
次に、ふれあいセンター館長については、施設管理者として人材の確保と活用を目的に、平成24年度の採用者から幅広く一般公募により採用試験を行い、平成26年度採用者までの3年間で20人を嘱託職員の館長として任用しています。館長には、各方面での職務経験を生かして、ふれあいセンターでの市民サービスのさらなる向上や、事務処理の効率化が図られることを期待しています。
また、ふれあいセンターの業務は、市民生活に深く関わり多岐にわたるため、職員研修を行って、市民サービスの充実を図っています。
研修内容については、証明書の発行業務や避難所の開設・運営業務、障害者及び高齢者へのきめ細やかな対応、さらに職場におけるハラスメント防止などです。今後さらに地域課題の解決や地域活性化を支援するため、必要な研修に取り組んでいくことにしています。
なお、ほとんどの校区において、必要な物品購入や小規模修繕など、利用者の利便性の向上を図ることを目的に、自治会連合会やコミュニティ推進協議会の代表者等によって任意の運営協議会が設置されています。この協議会の事務処理についても、館長を含めてふれあいセンターの職員が協力をしています。
ウ、維持管理費についてですが、全ふれあいセンターの維持管理に要する経費は、平成25年度では人件費約1億6,700万円、光熱水費約3,900万円、施設管理委託料等約9,900万円、合計で約3億500万円で、1センター当たりは平均1,270万円となっています。
収入に関しては、本市はこれまで地域住民によるさまざまな活動を支援する立場から、施設使用料を設けていません。ただし、自動販売機の設置者等には土地建物使用料や電気代相当分を納付していただいています。さらに、校区の任意の運営協議会においては、利用者に一定の器具使用料等を求めているところもあります。
なお、ふれあいセンターの適正な使用料については、宇部市公共施設マネジメント指針を踏まえ、平成26年10月に定めた宇部市公共施設使用料の基準をベースにして、受益者負担と公平性の観点から、電気代等の負担について市としての基準をつくるとともに、施設の利用者と非利用者に理解を求めていきたいと考えています。
以上で、壇上での答弁を終わります。
◆田中文代
御答弁ありがとうございました。
それでは質問席より、要望、再質問等をさせていただきたいと思います。
御答弁の中に、まず、ふれあいセンターについては施設の半数以上が建築後30年を経過しており、老朽化が進んでいるとありました。昨年3月に示された宇部市公共施設白書にも、市内の公共施設の建設延べ床面積の推移という棒グラフが示されており、そのグラフにおいても、昭和42年から昭和50年あたりまで急激に公共施設の建設が進んだことが見て取れます。ふれあいセンターに限らず、恐らくインフラ全てにおいて、この老朽化の問題は日本全国の地方都市全てが抱える問題であり、その問題解決に向けての道筋を示すための前段が、御答弁の中にも出てまいりました、国からの公共施設等総合管理計画の策定要請であろうかと思います。
この公共施設等総合管理計画の策定ですが、そもそもの趣旨と、その御答弁の中で、平成27年度中に策定するとありましたが、今後の策定スケジュールについて教えていただけますでしょうか。
◎片岡昭憲総合政策部長平成26年5月に策定いたしました公共施設マネジメント指針につきましては、本市が所有する公共施設、いわゆる箱ものの施設情報をもとに、今後の施設のあり方を判断していく上での視点を明らかにしたものです。
一方で、国から要請がありました公共施設等総合管理計画はその箱ものに加え、市道や橋梁等のインフラも含めた公共施設の総合的かつ計画的な管理を推進するために策定するものでございます。そのため、本市もこの中で将来における公共施設の適切な規模と方向性等を検討し、計画的に公共施設の最適化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。平成27年度にはその総合的な管理計画に向けまして、インフラを含む各施設の評価、今後、各実施方針等の検討などを行っていきたいと考えております。
以上です。
◆田中文代
ありがとうございました。大体の概要について理解できました。
それでは、御答弁の中で、この計画の策定に当たっては、適宜市民や施設関係者との情報共有を図っていきたいとありましたが、具体的にはどのような方法を考えておられるのか、教えてください。
◎片岡昭憲総合政策部長
計画策定の各段階におきまして、提示可能な資料等については、適宜ホームページ等に掲載してまいります。またうべの情報知っちょる会での説明や市民シンポジウムの開催など、市民や施設関係者等との情報共有を図るための効果的な手法をいろいろと検討していきたいと考えております。
以上です。
◆田中文代
ありがとうございます。ホームページあるいは知っちょる会、それから市民シンポジウムですか、効果的な方法を考えていくということでございましたけれども、ちょっと話は違いますけれども、平成22年に始まった見初、神原、岬の3小学校の統合問題について、現在は見初、神原の統合、岬は単独で存続という方向で、その協議が進められているところでございますが、途中で地域住民の方から、そんな話は寝耳に水であるというような声が出て、新聞報道などでもその混乱ぶりが伝えられました。進捗状況を隅々まで共有できていなかったということが原因かと思います。
今回の策定に当たりましては、そんなことが起こらないように、しっかりとした情報共有を図っていただきたいと思います。やはりホームページあるいはその会合に市民が出向いて行かれるというのは、なかなか難しい部分もあるかと思います。班回覧などでも結構ですし、とにかく情報が隅々まで行き渡るように、しっかりと共有を図っていきたいと思います。
ふれあいセンターにつきましては、最初にも述べましたけれども、すぐに統廃合という方向にはならないと考えておりますが、まずはその時々の情報を住民の方たちにしっかり届けていただきたい、これはひとつ要望させていただきます。
続きまして、第2点目のふれあいセンターの現状と今後についての再質問に移りたいと思います。
まず、現在のセンターの機能の1つとして、御答弁では住民票等の証明書発行業務など、市の出張所としての役割を兼ねているとありました。これは、平成24年7月から従来の市民センターと支所に加えて、市内14のふれあいセンターで住民票などの発行が可能になったものですが、この制度が始まって以来、市民の方がどのくらい利用されておられるのかを教えていただきたいのですが、昨年、平成25年度と、ことしの9月末くらいまでで結構ですが、一番利用の多いセンターと少ないセンターはどこで、それぞれの件数を教えていただけますか。
◎白石光芳市民環境部長
お答えをいたします。
住民票等の証明書発行件数でございますが、16カ所のふれあいセンターで行っておりまして、まず平成25年度の総件数は約3,600件でございます。1ふれあいセンター当たり平均をいたしますと、年間で約220件ということになります。最多は藤山ふれあいセンターで394件、それから最少は見初ふれあいセンターで46件でございます。
続いて、平成26年度9月末まで、6カ月間の発行状況でございますが、16ふれあいセンター全部で約1,670件でございます。1ふれあいセンター当たり平均をいたしますと約100件、6カ月間で100件ということでございます。最多は吉部ふれあいセンターで196件、最少は琴芝ふれあいセンターで25件でございます。
以上でございます。
◆田中文代
ありがとうございました。数字については、かなり差異が見られるように思いましたが、
これだけの差異が発生する理由についてはどのようにお考えでしょうか。
◎白石光芳市民環境部長
全般的に言えますことは、本庁に近いふれあいセンターは、証明書等の発行件数が少ない。ふれあいセンターで見てみますと見初、神原、琴芝、このあたりは発行件数が少なくなっております。
以上でございます。
◆田中文代
ありがとうございました。大体理解できました。
続きまして、御答弁の中に、ふれあいセンターの機能については、今後、市民の意見を聞きながら必要な機能について検証していきたいとありました。この検証の方法については、具体的にはどのようなことをお考えでしょうか。
◎白石光芳市民環境部長
先ほど市長が申し上げましたように、現在は、多面的な機能がございます。今後、貸館の利用状況、あるいは各種証明書の発行状況、こういった利用状況などを分析をするとともに、また今後の少子高齢化社会、それから人口減少社会などで求められる新たな地域課題、こういったことに対応するような新しい機能が必要かどうか、こういったことも踏まえて検討していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆田中文代
ありがとうございました。新たな機能も考えておられるということでございました。
続きまして、2項目のセンターの運営体制についての再質問に移りたいと思います。
御答弁の中に、今後さらに地域課題の解決や地域活性化を支援するため、必要な研修に取り組んでいくことにしているとありましたが、地域活性化というものをどのように想定しておられるのでしょうか。
◎白石光芳市民環境部長
やはり人口減少や少子高齢化がこれから進んでいくということで、安心安全で活力のある地域づくりがこれから求められてくるのだろうというふうに思っております。したがって、ふれあいセンターにおきましても地域の課題を考え、あるいは住民とともに解決していく力、こういったことが必要になろうかと思っております。
そこで、ふれあいセンターの職員におきましても、こういった住民とともに課題を解決し、それから情報も共有化するといった実務的なスキルをつけていって、地域での活性化につなげていきたいというふうに考えているところでございます。
以上です。
◆田中文代
ありがとうございます。研修の意図が理解できました。
壇上でも少し触れましたが、ことしの夏、7月23日でしたが、宇部市役所では職員研修にIIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]CEOの川北秀人氏を講師として「自治を回復し、まち・むらの課題を、まち・むらの力で解決するために」と題する職員研修が行われました。私も聴講させていただき、2020年を迎えたときに宇部市が直面するであろう問題とともに、まちづくりは誰のため、何のためといった根本的な問題から、川北氏がかかわられている小規模多機能自治の先進地である島根県雲南市の事例などについてお話を伺いました。その中で川北氏は、今後自治会などの地縁団体は、毎年の行事を活動とするのではなく、自治会そのものが地域を経営する事業体となって、行政はその経営支援を行う方向へ進むべきというお話をされました。この研修についての成果については、どのように考えておられますでしょうか。
◎白石光芳市民環境部長
先ほど議員さんから御紹介もありましたように、この研修会はふれあいセンターの館長も受講したわけでございます。研修後行いましたアンケートでは、住民参加の勉強会の開催についての提案、あるいは校区を超えた連携が必要ではなかろうかといったような意見がございました。今後、こういった意見も地域づくりの政策につなげていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆田中文代
ありがとうございます。研修の成果があったというふうに理解させていただきます。
研修の中で、川北氏からは、コスト削減のための行政改革であってはならない。行政改革と財政改革は別物であるというお話もありました。しかし、行政、公共サービスのクオリティーとスピードを向上すれば、その成果として必ずコストは削減するということでした。また、官民協働のあり方について、住民参加を企業より安い委託先と考えてはならない。ボランティアだとしても責任を委ねるならば、予算と権限も委ねるのが当然であるというお話もありました。
そこで、続きまして第3項目ですが、ふれあいセンターの維持管理費についての再質問に移りたいと思います。
御答弁の中で、維持管理費のうち平成25年度分では人件費が約1億6,700万円とありました。現状として、ふれあいセンターの職員体制はどのようなものになっているのでしょうか。
◎白石光芳市民環境部長
お答えをいたします。
現在、市内24のふれあいセンターには館長が24人、それからその他の職員が47人、合計で71人を配置しているところでございます。そして、それぞれのふれあいセンターの職員体制につきましては、市民センターと併設をしているといったことで業務の違いがあることから、4人体制を取っているところが6カ所、それから3人体制を取っているところが11カ所、そして2人体制のところが7カ所というふうになっております。
以上でございます。
◆田中文代
ありがとうございました。
これはふれあいセンターの職員に限った話ではございませんが、嘱託職員を含めて行政職員の方たちのお給料というのは、年功序列一律で、民間企業と違って、能力による差異でありますとか、実績による差異はありません。今回、私がふれあいセンターについて質問することを考えましたのは、ある市民の方から、ほかの校区の様子を聞いてみると、うちの校区のふれあいセンターの職員はきちんと仕事をしてないのではないかと思う、というお声を受けたのが発端でした。そこで、幾つかの校区の方からセンターの仕事についてお話を聞いてみましたが、私がお話を聞いた限り、以前市役所での職務経験のある館長さんなどは、住民と市役所をつなぐノウハウなどはよく御存じですし、休みの日も校区の行事に顔を出されて、平日も体を動かして、地域の隅々まで入っていかれていて、実務の量は嘱託職員になられた現在のほうが、はるかにふえておられる印象を受けました。
しかし、どこまでその地域に対して権限があるかというと、官と民の板挟みと言いますか、苦労されておられる部分も多いのではないかと推測されるところです。
例えば、私が住んでおります川上校区のふれあいセンターには、飲み物の自動販売機がありません。住民からは設置希望の声がたびたびセンターに寄せられており、私も住民の総意ですという館長からの依頼で市に話を持って行ったこともありますが、現在、本市においては平成22年度策定の第二期宇部市地球温暖化対策実行計画、通称えーこっちゃに基づいて公共施設に新しい自動販売機の設置が許可されておらず、我がセンターも設置の許可がおりません。川上ふれあいセンターの場所を御存じの方ならおわかりと思いますが、近くに商店のようなものはありませんし、山の上に建っているセンターですから、近年の夏の猛暑の時期、徒歩や自転車でセンターまで通われる地域住民からは、何とかならないかと言われ続けています。
この計画以前に、既に自動販売機が設置されていたほかの校区のふれあいセンターでは、その後もそのまま自動販売機があるわけなので、この必要度や要望の声の大きさのいかんによらず、ある時点でもって設置の許可が区切られたということに対する住民の不公平感は拭うべくもありません。
センターの敷地は許されないので、どこか敷地の外で、近くに設置したらいいという担当部課からのアドバイスもありましたが、それは地球温暖化防止というこの施策自体の趣旨に外れるもので、そうまでして公共施設の敷地ということにこだわること自体が私には理解ができません。とにかく、これは一例に過ぎませんが、センターの役割と権限が市からどこまで認められているのか、現状では非常に曖昧です。
川北秀人氏の提唱する小規模多機能自治とは、小さな単位の地域がみずからを経営する自治者として機能していくもので、具体的には高齢者率、独居世帯率などの地域の詳しい見通しをつくって、買い物や移動、耕作放棄、ごみ収集や清掃などの生活の必要ニーズの推移を予測して、地域単位で労力を可視化して、それに向けた組織をつくっていくというものです。
私は、本市においてこの小規模多機能自治の各拠点となるのが、現在、各校区にあるふれあいセンターではないかと思います。もし、今回の研修に沿って執行部のほうで今後、この小規模多機能自治への方向を考えておられるならば、センターの館長の役割というのは極めて重要です。この点はしっかり考えた上で人選、またその後の研修、またしかるべき待遇をしていただきたいと思います。
時間が残り少ないのでまとめたいと思いますが、私の所属する総務財政委員会では、10月に富山市へ行政視察にまいりました。シティプロモーションに関する視察でしたが、現地の職員の方が説明の中で最後に強調されたのが、シビックプライドの醸成ということでした。つまり、市民一人一人が我が町に対して愛着や誇りを抱くための取り組みを進めていくことが、福祉、教育、文化、雇用、環境、防災など、総合力の高い、魅力ある、選ばれる町になるためのシティプロモーションに通じているということです。川北氏の提唱する小規模多機能自治の雲南市の成功例も、小難しい論理を振りかざしてのトップダウンではなく、自治会対抗の自慢大会が引き金になったということでした。
以前、中山間地域の問題を一般質問で取り上げたときも申し上げましたが、自分の住む町に誇りが持てるか否か、そこがこの激しい人口減少社会の中で自治体運営が持続できるかどうか、大きな鍵になってくると思われます。
本市では以前、総合政策部が主管となって官民協働で地域SNS「うべっちゃ」というものが存在したことがありました。残念ながら、ことし3月末をもって閉鎖となりましたが、その中であるとき、ある職員の方が、御自身の地元に関する「藤山校区が一番じゃろう」というコミュニティーをネット上で立ち上げられたことがありました。そうして一時期、その中で、藤山校区の歴史やイベントなどがさまざまに発信されて、いろいろな方を巻き込んで盛んに交流が進み、まさに藤山校区が一番だろうというシビックプライドが芽生えた──ネット上の話ではありますが──芽生えたことがありました。地域SNSというのは、単に地域の最新の情報をキャッチするということだけでなく、そういうシビックプライドの醸成に役立つことに有用性があるものと考えられます。
現在ある24校区が、そういう自分たちの地域に自信が持てる、自慢できる場所になるには、それぞれの地域でかじ取りが必要です。ふれあいセンターというのはそのかじ取りの拠点になるべき場所ではないかと私は考えます。
今回、私は公共施設マネジメント指針の部分から、ふれあいセンターのあり方について入らせていただきましたが、そういう意味からも、人・物をいかに使い切るかということを念頭に置いて、御答弁にありました公共施設等総合管理計画の策定にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
最後に1件、要望になりますが、今後、今回の公共施設等総合管理計画のような箱ものやインフラに関する総合計画策定に当たっては、公共交通利用の視点を取り入れて、これにリンクする形で策定を進めていただきたいと思います。公共交通については、宇部市の公共交通のあり方検討協議会からの答申を受けて、ことし9月に総合的な方針が示されたばかりですが、その中で、宇部市営バスを含む公共交通を、これからのまちづくりの目標達成のための手段の1つとして位置づけるということが、課題として挙げられています。
今後、本市におきましては、地域別の進行スピードに差異はあるものの、着々と高齢化が進んでまいります。高齢者の運転免許の返納が進んでいかないのは、公共交通を利用したくても利用できない利便性の低さが一因ではないかと推測されるところです。各校区のふれあいセンターが世代を超えての住民自治の拠点となるためにも、ぜひ公共交通体系のあり方もリンクして計画を策定していただきたい。このことを強く要望させていただきたいと思います。
残りわずかですが、御所見ありましたらお願いいたします。
◎久保田后子市長
今、いろいろと地域の住民自治ですね、小規模ながらその地域で自立した活動がもっとしやすい環境づくりをということが1つ、この御質問の趣旨の根底にあるというふうに理解しておりますし、私自身もそのように思っております。
川北さんのお話にとどまらず、今、宇部市政もそういう方向で進んでいるというふうに思っておりますが、なかなかすぐに全部のところでそのような状況には至っておりませんが、議員もいくつかの例をお話されましたが、実際に地域を上げて、子供の見守り活動から、空き家の情報を調査されて新しい人を受け入れていこうという地域づくりを始められたところ、あるいは健康づくりをもう地域を上げてやっていこうと、ふれあいセンター、市民センターを中心に動き出している地域等、さまざまな活動が始まっています。
ですから、今、自販機のことでおっしゃったのですけれども、1つの事例を見れば、なかなか硬直的な部分もありますけれども、新しいうねりも始まっているということです。そういったものを伸ばしていく。そして課題としてあるならば、見直していくというようなことだと思っています。
いずれにしても、この少子高齢社会で地域内での自立した活動が広がるということが、町の活性化には基盤になる、つまり人が生き生きしていくということ。活動、わくわくすることがあるのだと。それが文化芸術でもあるかもしれない、地域の活動かもしれない、そしてまた事業活動、企業活動ですね。さまざまな分野で、やはり一人一人の活性化、活発な活動ということが、町の活性化の基盤になると考えております。
以上、所見ということなので、申し上げさせていただきました。
◆田中文代
どうもありがとうございました。全ての質問を終わります。