平成25年(2013年) 12月定例会

平成25年12月11日(水)
1. 中山間地域の現状と今後について


田中文代の発言は、背景を青色で表示しています。

◆田中文代
本日最後の登壇者となりました新風会の田中文代でございます。

皆さん睡魔と闘われている時間帯かもしれませんが、よろしくおつき合いのほどお願いいたします。

通告に従いまして一般質問を行います。

昨年6月の定例議会において、私は、中山間地域との交流促進というみずからが2年前の市議会議員選挙の際に掲げましたテーマについて一般質問をさせていただきました。主に、本市が掲げる中山間部振興のビジョンと、今後の施策についてその骨子を確認させていただいたものですが、今回はその後の具体的な状況について少し掘り下げて質問させていただきたいと思います。

現在、政府・与党は、TPP(環太平洋経済連携協定)への本格参加を想定した上で、農政について大きな転換策を打ち出しつつあります。減反などの生産調整の廃止に、企業的な経営への農地の集約や収入補填、大規模農家を後押しする政策が次々と浮上しており、今までの兼業農家の保護に偏りがちだった農政からの脱却が試みられている感があります。これまでの政策から今になってなぜこのような方向転換がされているのか、その状況について11月22日付の日本経済新聞にはこのような記事がありました。

なぜ兼業を守ることに腐心してきた政策から、大規模経営への支援に軸が移りつつあるのか。環太平洋経済連携協定(TPP)参加で競争力強化を迫られている面もあるが、それだけではない。
「地元で担い手を見つける難しさを痛感した」。千葉県のある市の農政担当はこう嘆く。地域で中心となる農家を、話し合いで決める制度が昨年度から本格的に始まった。この市には集落が100以上あるが、計画が決まりそうなのは、5、6カ所にとどまる。

「10年先には担い手がいなくなる」。計画をつくるよう求めると、多くの集落で展望のない答えが返ってきた。兼業化と高齢化が極限まで進み、衰退に向かいつつある農村の実態を映す。
この記事にあるような実態は、中心市街地の空洞化同様、日本全国津々浦々の地方都市に見られる共通のものと思われ、本市も例外ではありません。前回の一般質問の中で、私は過疎化の進む中山間地域の現状について、もっと人、物、お金が市内全域で回り出す仕組みづくりができないものかということを訴え、市の中山間地域活性化のビジョンについて考えをお答えいただきました。

そのお答えの要旨は、中山間地域の活性化に向けては、交流促進以外にも、農林業の振興や、担い手の育成、生活基盤の整備などさまざまな課題がありますので、公民連携や部局間連携を図るなどして、積極的に中山間地域づくりに取り組んでいきますというものでした。

先々月になりますが、私は、銀天街の宇部市まちなか環境学習館の主催する環境サロンの里山保全のシリーズの一部に参加して、吉部にあります個人農園や梅園を訪問させていただいて、現地の方のお話を伺いました。

現在、本市のグリーンツーリズムの重要な拠点となりつつある吉部ですが、これは、現地の方たちが長年御苦労を重ねながら、美しい里山の保全に取り組み、古くからの地域の伝統行事など継承されてきておられるからにほかなりません。

そのとき私は、近年の鳥獣被害、特に猿の深刻さや、夏場の草刈りなど、人手不足や高齢化による里山保全の困難さなど、現地に暮らす方たちのお声を聞いて、前回の私の質問から1年余りが過ぎた今、市の施策がどの程度進展しつつあるのか、とても気になりました。人目のあるところまでこれほど猿が出てくるのは、もちろんそこに食料があるからですが、一つには、人の手の入らない地帯が広がり、猿の住む山が人家のすぐ近くまで迫ってきているからだということです。

鳥獣被害の問題については、11月19日付の宇部日報のコラムにもありましたが、狩猟免許取得者の減少という大きな問題も抱えています。昨年、県内で狩猟免許を取得したのは、銃とわなを合わせて205人と前年の半分以下とのことです。銃を持っていても、実際にそれで狩りの目的を果たすには、狩猟技術の伝達と、経験による熟練が必要です。

このまま、中山間地域の高齢化の状態を放っておくと、近い将来その技術を伝承する人もいなくなります。

このような実態を考えたとき、国の施策の動きに先んじて、本市独自の施策を実行していくことの重要性を痛切に感じるわけですが、前回のお答えにあった公民連携や部局間連携を含めた現在の施策の進捗状況についてお伺いしたいと思います。

まず、1点目ですが、平成25年度の当初予算(案)の概要の冊子によりますと、中山間地域等における農地の荒廃防止、農業集落の維持、農業の振興、多面的機能の確保に対する支援として、中山間地域等直接支払費の補助と名目して、5,000万円程度の予算が組まれております。この費用による取り組み内容、また、その効果について年度の半ばではありますが、検証が進んでいれば、それもあわせてお答えいただきたいと思います。

質問の2点目は、部局間連携についてです。

現在、中山間地域振興の水際ともいうべき立ち位置におられるのが、今年度から2名増員となって現在4名で活動されている集落支援員の方たちかと思います。この方たちの所属は総合政策部企画課中山間地域振興班ということになっていますが、実際の活動状況は現地の方々への聞き取り調査、グリーンツーリズムの手配、お手伝い等、産業経済部の各部署や楠総合支所の仕事と重なる部分も多くあるように思われます。

私自身は、市職員の方々が所属をクロスオーバーされて、多面的に動かれていることについては大いに歓迎するところですが、この方たちは嘱託職員ということで単一年度ごとの任用となっています。今後ますますこの方たちが担われる実務の重要性が増すことを考えたとき、総合政策部の企画課という所属、また嘱託職員という職が、最適なものなのか、私自身は疑問に思うのですが、現在の総合政策部と産業経済部の部局間連携の実態と、今後の集落支援員さんたちの立ち位置についてのお考えをお聞かせいただければと思います。

質問の3点目は、公民連携についてです。

公民連携については、前回の質問で紹介させていただいた夢ゆめクラブ吉部の郷さんのような活動、先進的な事例もありますが、今回は別の方向から、先ほども触れた鳥獣被害についての質問です。

本件に関しましては、これまでも多くの議員の方たちが質問されてきた問題ではありますが、年々その被害が深刻になってきております。気候の温暖化により、本来越冬の際に数が減ってきたはずの猿が、どんどんふえてきているという話も聞きます。

先ほども述べましたが、狩猟者の育成など施策として早く手を打たないと、里山は危機的状況にあります。現在活動しておられる数少ない狩猟関係者の方たちも高齢化が進んでおります。
国からの補助を待つだけでなく、現在おられる方に協力を仰いで、本市独自の公民連携を進め、この危機を乗り切らなければならないと思いますが、市としての御構想がありましたらお聞かせいただければと思います。

以上をもちまして、私の壇上からの質問を終わります。

◎久保田后子市長
田中議員の御質問にお答えをいたします。

御質問、中山間地域の現状と今後について。

第1点、中山間地域等直接支払費の補助の現況についてのお尋ねですが、中山間地域等直接支払制度は、中山間地域等の農地の持つ多面的な機能を守るために平成12年度から始まった制度で、現在、平成22年度から平成26年度までの5年間を第3期対策として取り組んでいます。

平成25年度は、31の集落協定のもと、289ヘクタールの農地を対象として適正な維持保全活動等が行われており、地形的条件や活動の内容によって、田10アール当たり6,400円から2万1,000円の単価で、総額として約4,992万円の交付金を支払う予定です。

対象となる具体的な活動としては、農地の適正な維持管理、農道、水路の草刈りや泥上げ、周辺林地の下草刈りなどの集落共通の取り組みと、景観作物の作付、農業機械等の共同利用、担い手への農地の集積など、集落個別の取り組みがあります。

また、本市における特色的な取り組みとしては、都市農村交流活動として、市内の子供たちによる田植え、大学生による稲刈りの実施や都市部住民との交流のために設けた農園において、野菜づくりや農作業体験などが行われています。

本市としては、農業者の高齢化等による参加農家の減少などの課題もありますが、農地の多面的機能の維持や集落活動において、中山間地域等直接支払制度が果たしている役割は大きいものがあり、引き続き、関係機関と連携をして積極的に推進していきたいと考えています。

第2点、集落支援員の今後(部局間連携)についてですが、中山間地域の活性化を図るためには、基盤産業である農林業の振興や担い手の育成を初め、地域資源を活用した交流人口の増加や、定住につなげる取り組みなど、行政のみならず、住民、地域団体とも連携した取り組みを進める必要があると考えています。

特に、地域資源の活用に関しては、地域に密着したサポートと現場力を求められることから、平成23年度に集落支援員を嘱託職員により配置し、楠総合支所を拠点に活動を開始するとともに、平成24年度末には、集落支援員の増員を図り、活動エリアを吉部地区、万倉地区に加えて、小野地区まで拡大をしたところです。

これまで集落支援員の活動をベースに、総合政策部と楠総合支所の連携による、吉部地区及び万倉地区でのグリーンツーリズムの実施や総合政策部と産業経済部の連携による、吉部米を利用した米まんじゅうのうべ元気ブランド認証の支援のほか、活動範囲を広げた小野地区でも地域住民の協力を得て、養蜂講座や歴史探訪、秋の味覚の収穫体験に取り組むなど、一定の成果が得られているものと考えています。

また、人口減少や高齢化が著しい中山間地域の課題解決に向けて、地域の巡回や集落点検によって集落の状況の把握を行い、総合政策部のほか関係部署に情報をつなぐ役割をしています。

今後、集落支援員の役割はますますその重要性が高まると考え、正規職員の配置や、現集落支援員が培った人脈やノウハウの活用方策など、体制強化について検討をしていきます。

また、その成果をもとにして、地域産品のブランド化や6次産業化、グリーンツーリズムのスモールビジネス化など、中山間地域の活性化に資する施策に部局間連携を図りながら積極的に取り組んでいきたいと考えています。

第3点、鳥獣被害対策の今後の進め方について(公民連携)のお尋ねですが、本市の鳥獣被害防止対策については、県、JA、猟友会、鳥獣保護員、警察、市等で構成をする宇部市有害鳥獣捕獲対策協議会を中心に実施しています。

具体的な取り組みとしては、捕獲従事者を定め、捕獲活動への積極的な協力をお願いするとともに、国の鳥獣被害防止総合対策事業を活用して、捕獲機材の導入や、農家が共同で取り組まれる電気柵、フェンス等の防護柵の設置などへの支援を行っています。

これらの取り組みによって、イノシシに対する被害防止対策は進んでいるものの、近年、増加傾向にある猿による被害への対応が課題となっています。

猿対策の課題としては、猿は樹木から飛び移り、柵を乗り越えるため、防護柵では侵入を防止することが難しく、また、小野地区のように、集落から直接、捕獲従事者へ通報する体制ができている場合でも、人の顔や車を猿が覚えて逃走をするため、現地に出向いても、既に逃走していたり、銃の届かない距離に離れてしまうなど、捕獲につながることが少ない状況にあります。

今後の対応としては、新たに市内に2つある猟友会の連携によって、一斉の捕獲活動などを集中的に行うとともに、引き続き、鳥獣の荼場とならない地域環境づくりへの取り組みや、捕獲おりによる捕獲活動、銃器等による追い払いなどを推進していきます。

以上で、壇上での答弁を終わります。

◆田中文代
丁寧な御答弁ありがとうございました。

それでは、自席から再質問、提案等をさせていただきたいと思います。

まず、第1点目、中山間地域等直接支払費の補助の現況についてですが、平成12年度から始まった制度で、御答弁の中では、農業者の高齢化による参加農家の減少などの課題もあるということでした。

現在、本市全体の農業従事者の方の平均年齢は70歳ぐらいかと思われますが、中山間地域においては、恐らくもっと御高齢の方たちが数多く農業に従事しておられることと思います。この補助制度の参加農家数の推移について数字を教えていただけますでしょうか。

◎森部実喜産業経済部長
お答えいたします。

中山間地域等直接支払制度につきましては、平成12年度から始まった制度で、平成16年度までを第1期対策、平成21年度までを第2期対策、平成26年度までを第3期対策として取り組んでおります。

それぞれの最終年度の参加農家数を実績として申し上げます。

まず、第1期対策は、41の集落協定と2個人協定で、参加数は446戸であり、第2期対策は、39の集落協定と1個人協定で、参加農家数は443戸、第3期対策は、途中ではありますが、平成25年度において31の集落協定で参加農家数は391戸となっております。

以上でございます。

◆田中文代
ありがとうございました。

ここにきて、減少傾向が加速しているという印象を受けます。

続きまして、この補助制度について、地形的条件や活動の内容によって、田10アール当たり6,400円から2万1,000円の単価が設定されているとのことですが、この単価の開きはどのような条件によって発生しているのでしょうか。

◎森部実喜産業経済部長
お答えいたします。

中山間地域等直接支払制度の地形的条件といたしましては、田においては、傾斜度1%以上が対象となり、傾斜度5%以上が急傾斜地、それ以外は緩傾斜地となります。

また、活動条件としまして、適正な農地管理や水路、農道の維持活動などの共通の活動のみを行う場合は、単価の8割交付となり、それに加えて、機械・農作業の共同化や担い手への農地集積、都市と農村の交流活動に取り組まれた場合は10割交付となっています。したがいまして、急傾斜地において活動要件を全て満たした場合は2万1,000円、一部の活動の場合には1万6,800円となり、緩傾斜地において、活動要件を全て満たした場合は8,000円、一部の活動の場合には6,400円となります。

以上でございます。

◆田中文代
ありがとうございました。

主なものについては、傾斜地での作業ということだと思うのですが、実際のところ労働力に応じたお金を出していただいても、体力的にもうできないという方がふえているのが現状ではないかというふうに考えます。

1点目につきましては、最後の再質問になりますが、御答弁の中に、この制度が果たしている役割は大きいものがあり、引き続き、関係機関と連携をして積極的に推進していきたいと考えていますとありました。関係機関と連携をするという具体的な内容について教えていただけますでしょうか。

◎森部実喜産業経済部長
お答えいたします。

中山間地域等直接支払制度で取り組まれている活動内容が10割交付の対象となるよう、県、JAと連携をして、営農活動を充実し、高めるよう取り組んでいるところでございます。この活動を引き続き積極的に促進するとともに、次期対策に向けた取り組みを強化していきたいというふうに考えております。

以上でございます。

◆田中文代
ありがとうございます。営農活動についてもっと力を注いでいくというお話でした。

今回、この中山間地域等直接支払費について取り上げさせていただいたのは、3月の予算審査特別委員会の際に資料として出されている当初予算(案)の概要という冊子ですが、この中で、農林水産業の担い手の育成と地域資源の活用という項目に列挙されていた予算の中で、年間ほぼ5,000万円と、ほかの予算に比べまして金額的にかなり大きいことが目にとまったからです。

ちなみに、午前中の安藤議員の御質問にありました農業参入企業育成の支援のための予算は年間300万円、農業担い手育成確保の支援のための予算は2,874万9,000円となっています。

今回取り上げた中山間地域等直接支払費の補助については、本市の実行計画、また、産業力強化・雇用対策アクションプランに沿うものとしても位置づけられています。国の制度によっておりてくるお金ではありますが、農村の維持、農村の荒廃防止という本来の目的も、幾ら助成状況が整ってお金がおりてきたとしても、実際に維持する人がいなくなれば用をなさなくなります。

恐らく、現状のまま今後高齢化による農業従事者の減少に歯どめがかからなければ、今まで使われてきたお金によって培われてきたもの全てに終わりが来てしまうのではないかと危惧しております。

現場の担い手の問題については、もう時間の猶予はありません。ほころびて破れたところに継ぎはぎを当てるようなお金の使い方から、後に持続可能な地域の再生を目指す方向に、お金の使い方を市が率先して考えてシフトするべきではないかと私自身は考えます。

中山間地域等直接支払制度は、確かにありがたい制度かもしれませんが、補助制度があるからとにかく使ってもらおうというスタンスではなくて、市としては、市が描く中山間地域振興のビジョンと、現地の方たちが描く将来のビジョンをしっかりすり合わせていく必要があるのではないかと考えます。そのすり合わせの重要な役目を担っていると思われる、質問の第2点目、集落支援員の今後について再質問に移りたいと思います。

御答弁の中で、総合政策部と産業経済部の連携による吉部米を利用した米まんじゅうのうべ元気ブランド認証の支援とありましたが、具体的にはそれぞれどちらの部署がどのような役割を果たされたのでしょうか。

◎片岡昭憲総合政策部長
お答えいたします。

支援に関しましては、総合政策部で商品名の考案のほか、パッケージデザイン、申請書類の作成支援を行いました。また、産業経済部では、商標や申請手続に関する助言を行うとともに、うべ元気ブランドの認証後も物産展の開催情報を提供するなど、販路拡大につながる支援を行っているところでございます。

以上です。

◆田中文代
ありがとうございます。

やはり、部局間でしっかり情報を共有するということが一番大事ではないかと思います。

昨年の質問でも触れさせていただきましたが、集落支援員さんたちが日々の活動をレポートされている、おいでませ宇部の山里へ~宇部の元気な山里の魅力を発信します~というブログがあります。そのブログによれば、先月の下関市のデパートで開催された山口ぶちうまい物産展においてうべ元気ブランドの一品としてこの米まんじゅうを出展されたところ、最終日には、物産展の関係者の方がこのおまんじゅうはすぐになくなるからということで開店前に箱買いされていかれたそうで、今後の販路の拡大が大いに期待されるところです。

再質問に戻りますが、御答弁の中で、地域の巡回や集落点検によって集落の状況の把握を行い、総合政策部のほか、関係部署に情報をつなぐ役割を果たしていますとありましたが、これまでのその具体例について教えていただけますでしょうか。

◎片岡昭憲総合政策部長
お答えいたします。

具体例といたしましては、集落支援員が集落点検のために各戸を訪問しておりますが、コミュニケーションを図りながら現場の状況を聞き取っている中で、具体例といたしましては、道路関係ではガードレール、カーブミラーや、道路側溝ふたなどの破損のほか、倒木の情報、農林関係では鳥獣被害の情報、生活衛生関係ではスズメバチ駆除支援に関する問い合わせなど、地域を巡回し得られた情報を関係部署に知らせ、それぞれの課題に対して職員が解決に向け、取り組んでいるところでございます。

以上でございます。

◆田中文代
ありがとうございます。

やはり、実際に人が訪ねて来て、話を聞いてくださるというのが地元の方にとっては一番有用なことではないかと思います。

今回の質問を準備するに当たりまして、集落支援員の方たちからいろいろと話を伺いましたけれども、その中で、ふだん集落をめぐられる際に持参されます、集落点検質問項目のシートも拝見させていただきました。非常に詳しい内容になっておりまして、シートの内容は、御家族の状況や日常生活の困りごと、あるいは地域の活性化についての御意見など、集落訪問の際に時々民生委員とも間違えられることもあるということでしたけれども、それぐらい集落支援員さんたちのお仕事というのは、現地の方々の生活を丁寧に訪ね歩いて、安全安心な今後の暮らしにつなげていくものかと思われます。

これからも、部署を超えての連携をさらに密なものへと進化させていただけたらと思います。

2点目についての最後の再質問となりますが、御答弁の中に、集落支援員の役割の重要性は今後ますます高まると考え、これからは、その体制強化につて検討していくとありましたが、この検討を行うのは総合政策部でしょうか、それとも検討そのものを部局間連携で行うということでしょうか。

◎片岡昭憲総合政策部長
今後の体制強化につきましては、当然、現在集落支援員を配置している私ども総合政策部を中心にまずよく検討しまして、当然関連部署と協議しながら検討していくということを考えております。

以上です。

◆田中文代
ありがとうございました。

さっきの市長の御答弁では、集落支援員の役割については、ますます重要性が高まると考えられ、正規職員の配置も検討するということでした。現在、集落支援員の方たちは、男女各2名、嘱託職員として週4日の勤務という働き方をされていますが、仕事の内容自体もそうですが、ワーク・ライフ・バランス等も含めて、先進的な市職員の働き方の取り組みになる可能性もあるかと思います。今後も引き続き、注視させていただきたいと思います。

続きまして、質問の第3点目、鳥獣被害対策の今後の進め方(公民連携)についての再質問に移ります。

実際の駆除の担い手である捕獲従事者の地区ごとの実数を把握しておられましたら教えてください。

◎森部実喜産業経済部長
お答えいたします。

本市には、北部の宇部北地区猟友会と、南部の宇部猟友会の2つの猟友会があり、捕獲への従事は通常区域を分担して活動されています。

捕獲従事者の状況は市全体で117人であり、宇部北地区の猟友会においては、小野地区23人、二俣瀬地区16人、厚東地区7人、万倉地区9人、船木地区5人、吉部地区13人の計73人となっています。また、南部の宇部猟友会には44人がおられます。

以上でございます。

◆田中文代
ありがとうございます。

この方たちは、皆さん猟友会に所属しておられると思いますが、猟友会の会員をふやすという策について何か考えはおありでしょうか。それと、あわせまして御答弁の中にもありました鳥獣の荼場とならない地域環境づくりへの取り組みの具体的なものを教えていただけたらと思います。

◎森部実喜産業経済部長
お答えいたします。

猟友会の会員の中で捕獲従事者になっておられない方に捕獲従事者のお願いをしております。

また、新たに狩猟免許の取得者をふやすために、県では狩猟免許の取得経費への助成を行っており、市においても、狩猟免許を取得された方が捕獲従事者になられた場合に助成を行っております。今後も免許取得者がふえるよう、これらの支援制度を積極的に周知してまいりたいと思います。

また、今お話しになりました、鳥獣の荼場とならない地域環境づくりということでございます。猿などの鳥獣は、一度人の食べ物や、農作物の味を覚えると、人家近くに出没するようになるので、このことへの対策は重要となります。

具体的には、猿に荼を与えない、生ごみや野菜くずを農地や山際に捨てない、収穫のあった野菜や果樹等の残渣を畑に残さないなどのことについて引き続き地域への周知を図ってまいりたいと思っています。

以上でございます。

◆田中文代
ありがとうございます。

いろいろな支援策を講じて猟友会の所属人数をふやすということでしたが、なかなか新しい分野に入っていくときにはいろいろなハードルがあるかと思いますので、まずはいろいろな条件といいますか、そういうものを周知していただいて、多分、都市部といいますか、町なかにおられる方にとって狩猟というのはかなり別世界のように思っておられると思うのですが、実際は同じ市の中で起こっていることですので、そのあたりもしっかり周知していただけたらと思います。

また、荼場とならない地域環境づくりへの取り組みですが、他県におきましても捕獲と大規模柵の設置は最後の手段と位置づけて、まず鳥獣の数をふやさないことを第一に鳥獣被害対策を進めておられるようです。気候の温暖化による生育の状況の変化、また、お話を伺ったところによりますと、猿に対しましては、ほかの獣と違った意識を持っておられるハンターの方も多くおられて、銃による駆除が進まないといった話も伺いました。

ふえる原因の幾つかの中で、まず人間が関与しているものからとにかく手を打っていかなければならないと思います。

壇上で触れさせていただいた狩猟免許取得者の減少に関する宇部日報のコラムの見出しは、野生動物の被害、女性こそが解決のカギを握るというものでした。
記事には、「対策は、増える野生動物をそれ以上に捕獲する以外にはないだろう。そのためには狩猟者を増やすのが何よりの策だが、近年注目されているのが「狩りガール」だ。国内のハンターは18万6,000人で女性は1,539人と1%にも満たない。そこで女性にもっとハンターとして活躍してもらおうという、いわば狩猟社会への女性参画の勧めで、大日本猟友会が音頭を取って促進している。」とありました。

本市にとっては、一見、非現実的な話のようにも聞こえますけれども、中山間地域振興については、はっきり言って、これまでと同じことをこれまでと同じスピードでやっていたのでは立ち行かなくなるのは目に見えております。

壇上でも申し上げましたが、市独自に現場に即した先進的な取り組みを進めていかないと時間はもう残されておりません。今までやったことがないというのは、新しいことに取り組まないことの理由にはなりません。

昨日私は、防府商工高校において行われた、自治体職員、市民団体、議員、その他一般を対象としました勉強会に参加してきました。その中で、前段に行われました、IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表の川北秀人氏の「自治を回復し、まち・むらの課題を、まち・むらの力で解決するために、協働の基礎を再確認する」と題する講義を聞いてきましたが、その中で川北氏は、今後、自治会・町内会は行事を半減して福祉や経済をみずから事業展開する地域自主組織へと変容していかねば地域の衰退を食いとめられないという持論を展開しておられました。

何度も繰り返しますけれども、残された時間はもう余りありません。農村、里山の維持管理も狩猟技術の伝達も一度途絶えてしまったら、行政だけの力でそれを取り戻すことは不可能です。自主的に動いておられる方たちの活動、またNPOの活動については、それを、例えば、市の総合計画の中できちんと位置づけて、行政と市民が一緒に我がまちの課題解決に取り組むという姿勢を明確に示していくことが今後は必要なのではないかと考えます。この公民連携、協働の考え方について、市長、何かありましたら一言お願いいたします。

◎久保田后子市長
今、田中議員のお話されている、私も全く同じように考えております。本当にこの我が宇部市だけではない、全国的な日本社会全体で抱えている深刻な問題だと思っております。

したがって、政府も今、いろいろ取り組んでいらっしゃるわけですが、御指摘されているように、国とか県の取り組みを待つだけでなく、地域独自の政策を積極的にやっていかなければならないというふうに思っております。

それにつきましても、住民にこういう問題の現状、そしてこれを知っていただいて、そしてやはり一緒にやっていただくという協働、市民と役所の協働、あるいは民間の事業者との協働、そういったことを進める上での基盤になると、そのように思っておりますので、これまでもやってきましたが、今御指摘、御提案されていることをこれからもしっかり取り組んでいきたいと考えております。

以上です。

◆田中文代
ありがとうございました。肯定的なお答えをいただきましたので、大変安心しております。今後ともぜひ、どうぞこの協働を進めていっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

これで、私の全ての質問を終わります。

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